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2023 年度 実施状況報告書

オルガノイドを用いた膵発がんモデルの展開と応用に基づく新規治療戦略の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K07937
研究機関東京大学

研究代表者

泉谷 昌志  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90532739)

研究分担者 筆宝 義隆  千葉県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 研究所長 (30359632)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード膵がん / オルガノイド / 治療標的 / 発がんモデル
研究実績の概要

膵がんでは大半の症例で KRAS, TP53変異がみられ、これらを治療標的とすることが考えられ様々な治療薬開発が試みられてきたものの、分子の性質から容易ではなく十分な成果は得られていない。本研究では 、KRASおよびTP53変異を有する膵がんオルガノイドの遺伝子発現異常の解析ならびに薬剤スクリーニングを行うことで、それが依存する分子経路を同定し、またその増殖を抑制する化合物を同定し、膵がんの新規治療法開発へと繋げることを目的とする。有効な治療戦略が明らかになれ ば、膵がんはもちろんKRAS,TP53変異を共に有する膵がん以外のがんの臓器横断的な治療につながる可能性もあり、これらの変異を有するがんはきわめて多いことから、そのインパクトは極めて大きいことが期待される。
本研究は、ヒト膵がんで多く変異の見られるKrasおよびp53変異を複合的に導入したマウスおよびヒト膵がんオルガノイドの変異プロファイル 解析(遺伝子発現・プロテオミクス解析など)ならびに薬剤スクリーニングを行うことにより、KRAS/p53変異を有する膵がんオルガノイドを特徴付ける分子経路を明らかにし、また増殖を抑制する薬剤を同定し、ヒト膵がんの新規治療法開発へと繋げることを目的とするKras/p53変異の解析においては、関連する他の変異を有するオルガ
ノイドの解析結果とも比較して行う。
2021年度から膵がんオルガノイドを用いて薬剤スクリーニングの至適条件検討を中心に行い、スクリーニングを開始した。2022年度においては、スクリーニングの結果KRAS/p53変異を有する膵がんオルガノイドの増殖を抑制する候補薬物が複数同定された。
2023年度においては、候補薬物について異なる濃度で添加しdose resonse curveを作成し、IC50を算出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19 流行に伴う研究環境制約あるいは研究以外の業務の増大により、やや遅延している。

今後の研究の推進方策

・膵がん関連を導入したマウス膵オルガノイドの作成並びに遺伝子発現異常の検討
Kras/p53変異を導入したオルガノイドの遺伝子発現異常を検討する。また、ヒト膵がんでの報告は5%以下と高頻度ではないが、Pik3ca 変異を有している場合は阻害剤の有効性が高いと考えられること、Kras変異の有無とKras下流のPik3caの役割を検討することで有効な治療標的が明らかになる可能性があることから、Pik3ca変異オルガノイドの解析は有用であると考える 。 これら Kras/p53 またはPik3ca/Trp53変異膵がんオルガノイドの3次元培養を行い、RNA-seqによる遺伝子発現解析等を行う。
・Pik3ca/p53変異を導入した膵オルガノイドに対する薬剤スクリーニング
前項のPik3ca/p53 (P5) 変異を有するマウス膵がんオルガノイドを用いた薬剤スクリーニングを行う。スクリーニングにあたっては、P5膵がんオルガノイドを3次元培養をし、これに化合物ライブラリーの薬剤を加え培養し、ATP assay などによるcell viabilityの評価を行い、P5膵がんオルガノイドの増殖抑制効果を評価する。一定以上の抑制効果を有する化合物に ついては、個別に複数の濃度による投与を行い、GR50, IC50など薬剤の有効性の指標についての評価を行う。またすでに実施したP5膵がんオルガノイドの結果との比較を行う。また、これらの薬剤を投与した際の遺伝子発現変化について、RNA-seq等の解析を行い、有効性の背景にある機序について検討をする。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19流行に伴う研究計画の遅延に伴って、遅延分の研究計画を遂行するため次年度使用額が生じた。

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公開日: 2024-12-25  

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