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2022 年度 実施状況報告書

味覚受容体を介した腸管恒常性維持機構の総合理解

研究課題

研究課題/領域番号 21K07948
研究機関大阪公立大学

研究代表者

藤原 靖弘  大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40285292)

研究分担者 古株 彰一郎  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
細見 周平  大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60554938)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード味覚受容体 / 腸炎モデル / 栄養吸収
研究実績の概要

腸管上皮特異的Tas1r3欠損マウスの表現型評価
作成した腸管上皮特異的Tas1r3欠損マウスは、PCR・Western blottingにより小腸粘膜におけるmRNAと蛋白発現低下を確認し得た。
消化管炎症との関連解明の研究として、腸管上皮特異的Tas1r3欠損マウスモデルにおける自然発症腸炎の有無、マウス腸炎モデルにおける解析を行ったが、12週齢までの観察では自然発症腸炎は認めず、また、薬剤誘発腸炎モデルにおいても、腸炎の重症度に変化を認めなかった。
一方で、同マウスを用いて、High-fat+high cholesterol+high fructose(HFCD)食飼育下の表現型評価を行ったところ、自然発症腸炎は認めなかったが、HFCDで認められる体重増加が、腸管上皮特異的Tas1r3欠損マウスでは認められなかった。さらに、肝組織での脂肪滴沈着も腸管上皮特異的Tas1r3欠損マウスで減少していることが確認された。
以上の結果から、腸管上皮特異的Tas1r3欠損マウスでは、何らかの栄養吸収障害や吸収した栄養の利用障害が生じている可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初仮説として上げていた、Tas1r3の腸管炎症への影響を現時点までに確認できていない。そのため、自然発症腸炎や薬剤誘発腸炎の条件設定に時間を要している。一方で、栄養吸収への影響の可能性が認められたため、栄養吸収関連の評価も行う必要がある状況にあるため。

今後の研究の推進方策

引き続き、腸管上皮特異的Tas1r3欠損マウスを用いた腸炎モデルを行い、欠損マウスで炎症増悪が認められた場合、味覚受容体をターゲットとした新規治療薬探索を行う。
また、腸管上皮特異的Tas1r3欠損マウスを用いた炎症発癌モデルを作成し、腫瘍数・大きさなどを比較検討する。 ヒト炎症性腸疾患患者におけるTAS1R3発現を、健常者と比較検討する。
また、腸管上皮特異的Tas1r3の栄養吸収への影響についても評価を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

2021年度に予定していた、腸管上皮特異的Tas1r3欠損マウスにおける腸管炎症変化を認めることができず、この先に予定していた、分子生物学的メカニズム解析実験に進むことができなかったため、分子生物学的実験(real-time RT-PCRやWestern blottingなどによる炎症関連分子の発現比較や、腸管透過性評価実験)が行えなかったため。

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公開日: 2023-12-25  

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