研究課題/領域番号 |
21K07956
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
徳長 鎮 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (30866992)
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研究分担者 |
松村 倫明 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (00514530)
沖元 謙一郎 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30770739)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 食道バレット腺癌 |
研究実績の概要 |
バレット食道(Barrett's esophagus:BE)と食道腺癌(Esophagealadenocarcinoma:EAC)の内視鏡検体を用いて次世代シークエンスを行い,2017年11月~2020年3月に当院で上部消化管内視鏡検査または治療を受けた,併存EACのないBE患者24例[Short segment BE(SSBE) 12例,Long segment BE(LSBE 12例],及びEAC患者 9例(11病変:EMRC 3病変,ESD 8病変)の計33例を対象とした.BEは内視鏡観察で異型のない部位より生検を行い,病理学的にも異型のないことを確認した.EACは内視鏡治療後のFFPE検体からLaser micro dissectionにより癌部と周囲のBE(Surrounding BE)を切り分けた. 得られた各検体からDNAを抽出後,当院の食道癌パネル(69遺伝子)を用いてターゲットシークエンスを施行,確認された体細胞変異に対しOncoKBを照会してPutative driver (Likely oncogenicあるいはoncogenic変異)を同定した.検体毎のPutative driverの数(median,range)SSBE/LSBE/EAC/Surrounding BEでそれぞれ0(0-1)/0(0-1)/1(0-3)/1(0-2)であり,Surrounding BEはEACと差を認めない一方で,BEよりも多くのPutative driverを有していた(それぞれp=1.00,p<0.01). EAC患者のSurrounding BE,EACのいずれにおいても,最も頻度の高い変異遺伝子はTP53(ともに66.7%)であった.TP53のPutative driverは併存EACのないSSBE 2例(16.7%)でも認められた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記解析が施行でき、現時点で論文として報告したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は実際の患者の臨床情報と突き合わせて層別化を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
予想より消耗品の消費が少なかったため。
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