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2023 年度 実績報告書

消化管上皮幹細胞における古典的WNTシグナル伝達経路の多様性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K07972
研究機関産業医科大学

研究代表者

土井 知光  産業医科大学, 医学部, 講師 (70437218)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード幹細胞 / βカテニン / p300 / CBP / タンパク質間相互作用
研究実績の概要

申請者はこれまでに、β-cateninと結合するコアクチベーターがCBPからp300にスイッチすることで、標的遺伝子が切り替わることを示した。そこで本研究ではさらに発展させ、(1)上皮幹細胞及び分化過程における、β-cateninコアクチベーターの切り替えの解析、(2)β-cateninコアクチベーター切り替えを誘導するタンパク質間相互作用阻害剤のスクリーニングと、その標的分子同定、そして(3)阻害剤の組織修復、癌幹細胞増殖への作用を明らかにすることで、消化管上皮幹細胞及び分化過程における異なるβ-catenin複合体の役割を明らかにすることを目標に研究を行った。
初年度、申請者はβ-cateninとコアクチベーターp300の複合体が核内に観察される細胞集積が、小腸上皮陰窩底部に認められることを明らかにした。昨年度は、化合物スクリーニングの指標細胞の選定を行った。当初、β-cateninとp300及びCBPのゲノム 上での結合領域の解析に用いた膵癌細胞株PANC-1を用いる予定であったが、β-cateninの誘導剤CHIR-99021やβ-cateninとCBPの結合阻害剤ICG-001を作用させた時の、分化状態に変化が無く、幹細胞能と分化応答の切り替えを制御する化合物のスクリーニングには適さないことがわかった。そこで、他の細胞株を検討した結果、腎癌細胞株Caki-1がCHIR-99021に応答して、近位尿細管分化マーカーであるL T Lレクチンの染色性を示すことを見出した。最終年度は、Caki-1細胞を用いて、化合物のスクリーニングを実施した。その結果、Caki-1細胞に対して分化能を示す化合物を複数得ることができた。これらの中にβ-cateninのコアクチベーターの選択制に関わる化合物が含まれることが期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Caspase-4 has a role in cell division in epithelial cells through actin depolymerization2024

    • 著者名/発表者名
      Sumida Kazuhiro、Doi Tomomitsu、Obayashi Kunie、Chiba Yosuke、Nagasaka Shohei、Ogino Noriyoshi、Miyagawa Koichiro、Baba Ryoko、Morimoto Hiroyuki、Hara Hideki、Terabayashi Takeshi、Ishizaki Toshimasa、Harada Masaru、Endo Motoyoshi
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 695 ページ: 149394~149394

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2023.149394

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Runx1エンハンサーeR1はマウス気管支上皮において基底細胞様幹細胞を標識する2023

    • 著者名/発表者名
      土井知光、大林邦衣、千葉要祐、大里元美、遠藤元誉
    • 学会等名
      第46回 日本分子生物学会年会
  • [学会発表] 腫瘍細胞におけるCaspase-4発現誘導機構の解析2023

    • 著者名/発表者名
      土井知光、千葉要佑、隅田和広、長坂昌平、遠藤元誉
    • 学会等名
      第46回 日本分子生物学会年会
  • [学会発表] eR1 active dormant cells represent reserve stem cell function for tissue regeneration in the stomach corpus of mice2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuto Suda, Tomomitsu Doi, Akiko Nambu, Motomi Osato, Atsuyuki Yamatake, Yoshiaki Ito, Motoyoshi Endo
    • 学会等名
      第46回 日本分子生物学会年会
  • [学会発表] Caspase4 regulates polyploidization of hepatocellular carcinoma cells through cofilin activity2023

    • 著者名/発表者名
      隅田和広 、土井知光、大林邦衣、松川卓生、千葉要佑、長坂昌平、小山倫太郎、遠藤元誉
    • 学会等名
      第82回 日本癌学会学術総会
  • [学会発表] CASP4 in epithelial cells regulates cell division and cell size through actin depolymerization2023

    • 著者名/発表者名
      隅田和広 、土井知光、大林邦衣、松川卓生、千葉要佑、長坂昌平、小山倫太郎、遠藤元誉
    • 学会等名
      第46回 日本分子生物学会年会

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公開日: 2024-12-25  

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