研究課題/領域番号 |
21K07973
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
涌井 祐太 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 特任研究員 (50756939)
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研究分担者 |
玉井 恵一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん幹細胞研究部, 部長 (40509262)
山口 壹範 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 研究員 (80373215)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 大腸がん |
研究実績の概要 |
サイトカインIL-2の受容体サブユニットの1つ、γc鎖は申請者のグループの菅村によりクローニングされた(Science 1992)。IL-2以外にIL-4、-7、-9、-15、-21の受容体サブユニットとして共有され(このためcommonγchain、γc鎖と表記される)、免疫系の制御に重要な役割を果たしている。同じく菅村により作成されたγc鎖ノックアウトマウスは免疫系以外では異常を示さなかったことから、上皮細胞での機能解析は進められていなかった。申請者は、このγc鎖がデータベース上、上皮細胞では比較的低発現である一方で、癌、特に大腸癌において発現亢進していることに気づいた。 本申請研究の目的は、γc鎖が大腸癌の発症/悪性化に機能していることを細胞株と臨床検体を用いて検証し、さらに、その分子機構を解明することにある。γc鎖に関しては長年免疫系細胞における機能が研究されてきたが、大腸癌を含め上皮系癌での発現制御や機能は顧みられていなかった。免疫系のシグナル伝達として重要なNFkBシグナル伝達系は、大腸癌においても重要な役割を果たしていることが示され、大腸癌の分子病態の理解、さらには阻害剤による治療法開発へと展開された。同様に、大腸癌におけるγc鎖機能解析は、大腸癌の基礎研究ならびに臨床応用研究における新たな展開をもたらすことが期待される。 本年度は昨年度と同様の実験を繰り返し、実験結果をより強固にした。すなわち、大腸がん細胞株を用いて、γc鎖ノックアウト・ノックダウンを行い、表現型の解析を行った。造腫瘍能・増殖能・浸潤能・ALDH活性・細胞周期などの検討を行った。また、大腸がん手術検体を用いて、発現量や局在の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に従い実施している
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書に従い実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に昨年度の実験結果の再現性をとることに費やしたため、消耗品の支出が予定より少なかった。
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