HBVキャリアのモデルであるHBVトランスジェニックマウスに、HBs抗原とHBc抗原を含む治療ワクチン、PBSを2週おきに計5回、経鼻投与した。ワクチン投与5回投与後に全例(n=5/5)でHBs抗体(404.8±172.3 mIU/mL)が誘導されたが、PBS投与群(n=5)ではHBs抗体の誘導は見られなかった。さらにワクチン投与群では2/5症例(40%)でHBs抗原が消失し、抗原量は投与前の2.2±3.9%まで低下した。一方、PBS投与群ではHBs抗原消失例は見られず、HBs抗原量は投与前の115.7±7%であり、PBS投与による低下は見られなかった。脾臓内のHBs/HBc抗原特異的なCTLは治療ワクチン投与群がPBS投与群より高く、治療ワクチンによるHBV特異的なCTLの誘導を確認した。 HBs抗原、HBc抗原にHBx抗原を添加し、HBVトランスジェニックマウスに経鼻投与したが、HBx抗原の上乗せ効果はみられなかった。
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