研究課題/領域番号 |
21K07995
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
原 裕一 川崎医科大学, 医学部, 特任研究員 (60550952)
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研究分担者 |
日野 啓輔 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80228741)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | FTMT / ミトコンドリア / マイトファジー |
研究実績の概要 |
鉄キレート剤のうちDFPがmitophagyを最も誘導しROS産生も減少させた。DFPによるmitophagy誘導の際にミトコンドリアフェリチン(FTMT)が誘導されるが、細胞内鉄欠乏の際にHIF1αの発現が上昇し、その後、転写因子SP1がFTMTのプロモーター領域に結合が増加することでFTMTの発現が上昇した。FtMtのノックダウンによりmitophagyは抑制された。FtMtは標的分子とオートファゴソームを結合させるカーゴレセプタ―のひとつであるnuclear receptor coactivator 4 (NCOA4)結合し、さらにFTMTとNCOA4の結合部位も同定した。ミトコンドリア移行シグナルを持つ蛋白はミトコンドリア膜電位の低下によりミトコンドリア外膜に係留するが、FTMTも鉄欠乏により膜電位の低下したミトコンドリア外膜に係留していた。以上からFTMTは障害ミトコンドリア選択的に移行し、さらに外膜に係留することでNCOA4と結合してmitophagyを誘導すると考えられた。NAFLD肝組織による検討ではFTMTの発現は電顕で観察されるmitophagosomeと正の相関を示した(r=0.82, P<0.01)。またFTMTの発現はMatteoni typeの進展とともに減少する傾向にあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マイトファジーを誘導する際の重要な因子としてミトコンドリアフェリチン(FTMT)が重要であることを明らかにしてきたが、その誘導機構については今まで明らかではなかったが、転写因子であるSP1によって制御されることを明らかにすることができた。FTMTの発現が、NASHのMatteoni分類だけでなく、Bruntの分類とも関連がある可能性が示唆され、NASHのバイオマーカーとして期待できることが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
鉄キレート剤以外のFTMT誘導薬剤が完全には同定で来ていないため、引き続き培養細胞を用いて化合物スクリーニングにより、FTMT誘導薬剤を同定する。その薬剤の中から細胞毒性のない薬剤を選抜する。「ケミカルバイオロジー」の手法でFTMTの発現パターンによる遺伝子の変化を網羅的にプロファイルする。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたマイトファジーを引き起こす薬剤のスクリーニング解析が出来なかった為、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、論文作成や学会報告のために使用予定。
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