研究課題/領域番号 |
21K07998
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
芳賀 弘明 山形大学, 医学部, 講師 (70466613)
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研究分担者 |
星川 恭子 山形大学, 医学部, 助教 (20613053)
勝見 智大 山形大学, 医学部, 助教 (70637355)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Extracellular Vesicles / 間葉系幹細胞 / 急性肝不全 |
研究実績の概要 |
劇症肝炎を含む急性肝不全は死亡率が高く、肝臓移植に代わる治療の開発が待たれているが、まだ、十分な効果のある治療法は開発されていない。細胞から放出される細胞外小胞であるExtracellular vesicles(EV) 内にはprotein、RNA、DNAなどが含まれており、細胞間のコミュニケーションに重要な役割を持っていると考えられている。私たちは間葉系幹細胞由来のEVを用いた急性肝不全の治療の開発を目指している。しかし、間葉系幹細胞の培養液からMSC-EVを抽出するには時間がかかるため、緊急性を有する臨床においてはMSC-EVの有効な保存方法の確立が必要である。本研究では、急性肝不全に対して有効な生理活性を持つMSC-EVの保存法の確立を目的とした。 2021年度は間葉系幹細胞の培養液から、Ultracentrifugation法にてExtracellular Vesicles(EV)の採取を行い、それらのEVをナノ粒子解析装置やexosomeマーカーの検討からexosomeの豊富なEVであることが判明した。 さらに、MSC-EVを-60℃で保存し検討したところ、EV数は1か月後に20%ほど減少したが、3月後では変化は見られなかった。またEVのサイズには1か月後、3か月後に変化はなく、EVにおけるexosomeの割合も有意な変化は見られなかった。これらの保存されたEVを急性肝不全マウスモデルに-60℃で保存したMSC-EVを投与したところ保存期間1か月、3か月のMSC-EVとも急性肝不全マウスの生存期間を延長を認めた。今後は、凍結乾燥保存での検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MSC-EVを凍結乾燥保存させて、そのEVの解析まで行いたかったが、凍結乾燥機の準備が間に合わなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新年度は、MSC-EVの凍結乾燥保存での検討を行う。検討方法は、NanoSightでEV数を、走査型電子顕微鏡(SEM), 透過電子顕微鏡(TEM)で形態学的な変化を観察する。さらに液体クロマトグラフィー質量分析 (LC/MS)にて蛋白の変化も検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
凍結保存での検討が遅れているため、試薬が2022年度に持ち越しとなったため。
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