研究課題/領域番号 |
21K08016
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
福井 広一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60378742)
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研究分担者 |
三輪 洋人 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80190833)
富田 寿彦 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (60388824)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 臨床 / 免疫学 / 腸内細菌 / 感染症 / 再生医学 |
研究成果の概要 |
高脂肪食負荷や抗菌薬起因性による dysbiosis 環境下において腸管粘膜の Reg family 蛋白発現が減弱することが示された.その Reg family 蛋白発現の減弱に伴い,粘膜バリア機能を維持するタイト結合蛋白発現の減弱と粘膜透過性の亢進が生じ,LPS などの病原性抗原の粘膜内への侵入が惹起され,腸管粘膜における炎症性サイトカインの発現増強とマクロファージの活性化が生じて消化管に微小炎症が生じることが示された.さらには,寛解期の炎症性腸疾患において腸管粘膜が治癒しているにも関わらず分子レベルの微小炎症が生じており,その現象が腹痛などの腹部症状発現に関与する可能性が示唆された.
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自由記述の分野 |
消化器内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸内細菌叢の構成バランスの異常(dysbiosis)が全身の様々な疾患の病態に深く関与していることが報告され,そのメカニズムとして消化管粘膜のバリア機能の破綻とそれに伴う微小炎症が鍵となる現象だと考えられている.本研究は dysbiosis 環境下で抗菌ペプチド候補である Reg family 蛋白の発現が減弱して粘膜バリア機能が低下すること,それに伴って病原抗原の侵入と粘膜免疫の活性化が生じて微小炎症が生じることを明らかにした.本研究は,様々な疾患の誘因になる dysbiosis が病態を形成するメカニズムの一端を明らかにした点で学術的意義があり,今後の医学の発展に寄与すると考えられる.
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