研究課題
今回の研究では、不整脈症候群として、心臓サルコイドーシス、Brugada症候群、早期再分極症候群を中心に解析を行った。①心臓サルコイドーシスでは、QRS棘波の程度、心室内での広がり、ε波の存在が不整脈ストームと関連が見られた。いずれも著明な興奮伝導障害を示す所見であり、結果として、心拍数の早い心室頻拍(VT)、多形性VT、複数種類の持続性VTが不整脈ストーム時に発生した。② 1) Brugada症候群では完全右脚ブロックの成因を解析し、右脚本幹の障害以外に、約60%の例で右脚末梢から右室心筋にかけての伝導障害により右脚ブロック型波形を示すことが判明した。右室前壁から流出路にかけての興奮伝播遅延が著明で、心室細動(VF)発生が頻回となることと関連があった。2) 植込み型除細動器移植後の失神発作を検討し、不整脈発作と癲癇の鑑別の困難さを指摘した。3)欧米の専門家と共同でBrugada症候群の総論を執筆した。③ 1) 早期再分極症候群(ERS)では、下側壁誘導のJ波が診断に重要であるが、後壁誘導での頻度の検討を行った。下側壁誘導にJ波がを有するERSの35例中、34例で後壁誘導にJ波がみられ、下側壁誘導にJ波を認めない特発性心室細動でも30例中5例(20%)に後壁誘導J波がみられた。2) ERSの心室細動ストーム発生例では、QTおよびQTp間隔の短縮、上海スコアシステム高値、低体温療法が関連していた。3) 経過中の心室細動発生は、QRS幅延長、QRS棘波の存在、J幅延長、T/R電位比高値が関連していた。4) ERSの不整脈基質として、心臓MRIによる心筋線維化が80%の例で認められ、投稿後、現在論文修正中である。5) 心室細動発生時の特徴について国際共同研究を行った。様々な不整脈症候群においてストーム化、致死的不整脈発生には、心筋伝導障害が重要であることが、示唆された。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (19件) (うち国際共著 2件、 査読あり 19件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
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