リンパ系に着目した肺高血圧症の新たな分子機構の解明と治療法の開発

2022 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 21K08036
• 研究機関: 福島県立医科大学
• 研究代表者: 横川 哲朗 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (80748773)
• 研究分担者: 中里 和彦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90363762)
• 研究期間 (年度): 2022-01-04 – 2025-03-31
• キーワード: 肺高血圧症 / リンパ系

研究実績の概要

モノクロタリン誘発性肺高血圧症モデルラットを作成し、肺高血圧症の肺組織において、リンパ系に関連した蛋白であるPodplanin、Lyve1の発現が、コントロール群に比べて亢進していることをウェスタンブロットで明らかにした。また、免疫染色において、モノクロタリン誘発性肺高血圧症モデルラットの肺組織でリンパ系のクリアランスを受ける炎症細胞が有意に多く浸潤していることも示した。また、当院倫理委員会にヒト肺高血圧症の剖検肺組織の使用について申請し、承認を得た。さらにヒト肺高血圧症の肺組織で、動物モデルと同様に、コントロールの肺組織と比べて、リンパ系のクリアランスを受ける炎症細胞が有意に多く浸潤していることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

モノクロタリン誘発性肺高血圧症モデルラットやヒト肺高血圧症肺組織における研究が進展した。

今後の研究の推進方策

動物モデルにおけるリンパ系マーカーの阻害実験や、ヒト肺高血圧症の血漿を用いたリンパ系関連マーカーの意義について検討していく方針である。

研究成果

• [雑誌論文] Effects of continuous positive airway pressure on very short-term blood pressure variability associated with sleep-disordered breathing by pulse transit time-based blood pressure measurements (2023)
  • 著者名/発表者名: Misaka T, Yoshihisa A, Yokokawa T, Takeishi Y.
  • 雑誌名: J Hypertens 巻: 41 ページ: 733-740
  • DOI: 10.1097/HJH.0000000000003395.
  • 査読あり
• [雑誌論文] D-Dimer Is a Predictive Factor of Cancer Therapeutics-Related Cardiac Dysfunction in Patients Treated With Cardiotoxic Chemotherapy (2022)
  • 著者名/発表者名: Oikawa M, Yaegashi D, Yokokawa T, Misaka T, Sato T, Kaneshiro T, Kobayashi A, Yoshihisa A, Nakazato K, Ishida T, Takeishi Y.
  • 雑誌名: Front Cardiovasc Med. 巻: 8 ページ: 807754
  • DOI: 10.3389/fcvm.2021.807754.
  • 査読あり
• [雑誌論文] Utility of a novel wearable electrode embedded in an undershirt for electrocardiogram monitoring and detection of arrhythmias (2022)
  • 著者名/発表者名: Amami K, Yoshihisa A, Horikoshi Y, Yamada S, Nehashi T, Hijioka N, Nodera M, Kaneshiro T, Yokokawa T, Misaka T, Takeishi Y.
  • 雑誌名: PLoS One. 巻: 17 ページ: e0273541
  • DOI: 10.1371/journal.pone.0273541.
  • 査読あり