研究課題/領域番号 |
21K08047
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
網谷 英介 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80529090)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 重症心不全 / QOL |
研究実績の概要 |
心臓移植後という特定の集団における最適化の医療の目的で腎機能に着目し、移植前腎機能が移植後予後や腎臓イベントに影響を与えることを示した。また本研究では改めて日本の心臓移植後の経過が良好であることを確認でき、日本の移植後の状態改善については本邦での特徴をより詳細に把握することが重要であることを改めて再認識した。 また心臓カテーテルにおける右心カテ検査での圧波形を解析することで 右心の収縮能と拡張能を推測する式を簡易化し、重症心不全患者に適応することを考案した。この式によって、昨今診断数が増えている心臓アミロイドーシスの特徴を容易に評価することができることを確認した。今後この式を幅広い心不全患者に適応することで、詳細なリスク評価を行うことができることが予想された。これらをもとに、ある集団における、より介入すべき集団の特定ができ、今後これらを対象に改善策を考えていくための基礎的知見を得られた。
本年はさらに病病連携、患者分配システムの解決策の一つである遠隔医療について臨床研究を行った研究をまとめた。循環器疾患回復期を対象に集合型心臓リハビリでなく、遠隔での心リハによる有酸素運動の提供によって心肺機能検査などにて評価される運動耐容能の改善をはかることができることを確認し、これに伴うQOLの改善について検討を加えた。QOLについてはphysical activityの改善と精神的状態の改善の若干の乖離を認めた。今後QOLの項目ごとに効果をあげる因子について詳細な検討を続けていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在遠隔の心臓リハビリにおけるQOLの結果について論文化を目標にまとめている段階であり、もう少し時間を要すると予想される。
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今後の研究の推進方策 |
本研究での結果をもとに、病院毎の患者の最適な分配における方法論の検討につなげていく必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在結果解析中であり、解析が次年度までずれ込む可能性が高いため。
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