• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

重症心不全患者のカヘキシー予防のための代謝動態に基づく至適栄養療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K08050
研究機関大阪大学

研究代表者

坂本 陽子  大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (30444053)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード重症心不全 / 栄養管理 / 安静時消費エネルギー / 必須アミノ酸 / ヒスチジン
研究実績の概要

入院心不全患者における安静時消費エネルギー評価を行い、これまでにとったデータと併せてデータ解析を行った。対象となる患者は心臓移植待機例などのStage Dの治療抵抗性心不全の患者が多くを占めており、重症度や他因子の影響との関連について解析を行ったところ、右心カテーテル指標やBNP値などの重症度との関連は認められず、唯一体格指数との負の逆相関が認められた。そして測定した安静時消費エネルギー量をもとに必要エネルギーを算出すると(活動係数を1.3-1.4と仮定)、低体重群や普通体重群ではそれぞれ、35‐38kcal/kg/day、31‐34kcal/kg/dayと、いわゆる必要エネルギーを25-30kcal/kg/dayとする簡易のエネルギー設定では不足することが示された。このことは移植適応となるような重症心不全患者における栄養管理には重要な知見と思われる。というのも、もともと重症心不全患者ではカヘキシー進展のリスクが高く、エネルギー過少設定によりさらにカヘキシーを進展させうるからである。また摂取エネルギー・タンパク量の不足を反映しうる新たな指標として血液中・尿中アミノ酸分析も行い、これまでにとったデータと併せてデータ解析を行った。血液中必須アミノ酸濃度は正常範囲にも関わらず、蓄尿中必須アミノ酸排泄量は低下している症例が多く、特にHistidine排泄量は摂取エネルギー量との相関が認められた。これらの結果を論文にまとめる作業をおこない、現在投稿準備中である。
また、心不全患者およびその家族を対象とした市民健康講座にて心不全患者における栄養管理について講演を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ感染が治まっておらず、間接熱量計を使用した安静時消費エネルギー測定の症例数確保が難しく、データ収集自体が遅れている。

今後の研究の推進方策

コロナ感染の動向をみながら心不全患者における安静時消費エネルギーを経時的に評価していく。またアミノ酸分析のデータ収集も並行して行い、栄養管理による変化を解析する。そのうえで、有効な栄養管理について模索していく。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染が収束しないことにより安静時消費エネルギーを測定する症例数の確保が遅れており、それに付随した血液・尿サンプルのアミノ酸分析などの解析ができていないために自次年度使用額が生じている。今年度はコロナ感染状況を見ながら症例数の確保に努め、順次サンプル解析も行っていく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 心臓移植と栄養2022

    • 著者名/発表者名
      坂本陽子、大谷朋仁、坂田泰史
    • 雑誌名

      栄養

      巻: 37 ページ: 5,12

  • [学会発表] 心不全患者さんの栄養について2021

    • 著者名/発表者名
      坂本陽子
    • 学会等名
      ハートクラブ第134回市民健康講座
    • 招待講演
  • [学会発表] 慢性重症心不全患者における安静時消費エネルギーに与える因子および尿中アミノ酸分析を用いた栄養評価の有用性についての検討2021

    • 著者名/発表者名
      坂本陽子
    • 学会等名
      第13回関西心不全栄養療法研究会
    • 招待講演
  • [図書] 糖尿病×循環器疾患の治療2021

    • 著者名/発表者名
      伊藤浩ほか
    • 総ページ数
      209
    • 出版者
      南江堂
    • ISBN
      9784524229581

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi