研究課題/領域番号 |
21K08054
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山本 健 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50363122)
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研究分担者 |
小田 哲郎 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (40569290)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ryanodine receptor / calmodulin / herpud1 / NFAT |
研究実績の概要 |
後天的要因に伴う心不全、心肥大、致死的不整脈の発症をRyR2からのCaM解離抑制により阻止しうるかの検証:心筋梗塞マウスモデル:LAD結紮による心筋梗塞モデルマウスにおいて、WTマウスに比しダントロレン慢性投与群(MI-WT+DAN)、RyR2 V3599K群(MI-V3599K)ともに、MI作成後にみられるカテコラミン負荷誘発性の心室頻拍は生じず、左室リモデリング、心筋細胞肥大も抑制され、予後は著明に改善したことをJ Mol Cell Cardiolに発表した。 ミネラルコルチコイド誘発高血圧ラットモデル:片腎摘出(UNX)+塩分負荷およびミネラルコルチコイドタブレット植え込み(DOCA-salt)による高血圧拡張障害ラットモデルを作成した。ダントロレン慢性(内服)投与WTラット、および、RyR2 V3599Kマウスと同一の変異を組み込んだラット(RyR2 V3580K KIラット:作成済)において、心エコーによる左室収縮、拡張機能、単離心筋細胞での心筋細胞収縮能、Ca2+放出能、RyR2-CaM連関、心筋組織の心肥大シグナル伝達を検討した。実験の結果、UNX+DOCA-salt WTラットでは、心重量、肺重量、左室繊維化はいずれも増加し、左室static complianceは低下した。一方、ダントロレン慢性投与により、心重量、肺重量、左室繊維化はいずれも減少した。 肥大抑制遺伝子の探査:候補15遺伝子のなかで、Herpud1遺伝子は、TACモデル左室心筋においてはV3599K KIマウスでHerpud1蛋白が有意に多く発現しており、 H9C2細胞のHerpud1遺伝子について、細胞内Ca2+上昇をきたさず、CaMの核内移行を抑制せず肥大を抑制することをBBRCに報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MIマウスはすでに実験を終了しacceptされた。ミネラルコルチコイド誘発高血圧ラットモデルの論文もすでにacceptされた。肥大遺伝子についてもHerpud1は2本目の論文がacceptされた。 KR-39038については入手が困難で苦労している。
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今後の研究の推進方策 |
Herpud1の肥大抑制の作用機序について検討する。 KR-39038あるいはその他のGRK5 inhibitorについて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部遺伝子発現の解析に時間を要したため。この未使用額については、令和5年度の実験試薬の購入に充てる。
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