研究課題/領域番号 |
21K08064
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
石井 秀樹 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90456674)
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研究分担者 |
香坂 俊 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30528659)
伊苅 裕二 東海大学, 医学部, 教授 (70271567)
天野 哲也 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80314003)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | COVID-19 / PCI |
研究実績の概要 |
2021年度の目標として、COVID pandemic禍における経皮的冠動脈インターベンション(PCI)についてのデーター集積があった。これについては、CVITが行っているJ-PCI registryを活用し、日本循環器学会総会での発表と論文発表(Lancet Regional Health - Western Pacific)を行った。 具体的には、J-PCI registryに登録されているシステムを活用した。2019年のJ-PCIに登録されたPCI件数は252,194例、2020年には236,807例であり、一日当たり6.7%の有意な減少が見られた。一方、ST上昇型心筋梗塞に対するPCIは2019年間 44,172症例、 2020年間 43,314症例であり、一日当たり2.3%の減少は見られたものの、統計学的には有意ではなかった。これらの結果、全PCIの中に占めるSTEMI症例が増加し、またショック・心停止のような病状が重症化して来院する症例の増加が認められた。また、ST上昇型心筋梗塞患者に対する予後に関連する因子として、primary PCI door-to-balloon timeの検討を行った。2019 年平均 83.2分 、2020 年8平均 83.2分であり、統計学的な差は認めなかった。 また、2020年春以来、COVID-19 pandemic禍が本邦でSTEMI患者に対するprimary PCIの実施に対してどの程度影響があったのかについて、CVITは研修施設・研修関連施設にアンケートを引き続き実施した。各病院の様々な努力により、時期を追うごとに本邦では平時とほぼ変わらない施行率までprimary PCIの施行率が上昇する結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究2021年の目標であるCOVID-19以前と、pandemicがはじまった2020年のPCIについて、詳細な検討を行うことができたため。 また、2020年に施行したPCI症例の予後調査も並行して行えた。
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今後の研究の推進方策 |
2020年の「COVID-19 pandemic禍におけるPCI群」の予後調査を施行し、2017年、2018年の「平時に施行したPCI群」における予後調査と比較検討し、COVID-19 pandemicがPCI施行患者を中心とした虚血性心疾患患者にどのような影響を及ぼしているのかを検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19 pandemic禍の中で、学会発表等がwebであったことなどから、旅費などの使用がなかったため、2021年度は当初見通しより使用額が少なかった。 本年度は研究がより活性化される予定であり、予算について使用する予定である。
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