研究課題/領域番号 |
21K08065
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
藤井 健一 関西医科大学, 医学部, 講師 (90434943)
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研究分担者 |
廣田 誠一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50218856)
塩島 一朗 関西医科大学, 医学部, 教授 (90376377)
植田 大樹 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 登録医 (90779480)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 深層学習 |
研究実績の概要 |
過去に剖検を行った検体45例の剖検心から冠動脈を剥離し、体外で光干渉断層画像(OFDI)カテーテルを冠動脈内に挿入し冠動脈の連続OFDI断層画像を撮影した(109本の冠動脈)。その後に冠動脈をOFDI画像と対比できるよう3mm間隔のブロックで切り出し、パラフィンで固定した。検体ブロックを4μmの厚さで薄切し、病理切片(断層画像)を作成・染色した。冠動脈の形態、冠動脈側枝からの距離を参考に、病理切片と体外で得たOFDI画像を1:1で対比させた。病理画像の組織性状診断は病理学専門医が行った。OFDIと病理のペア画像は1,693ペア作成し、その内、病理画像上で異常所見があると判断されたもの1,103ペア画像をディープラーニングの入力用画像として使用した。ディープラーニング学習方法の構築では、本工程で得たOFDIと病理のペア画像1,103ペアの内、875ペア画像をディープラーニングのトレーニング用として使用、112ペア画像をvalidation用、そして残りの116ペア画像をディープラーニングによる診断精度を評価するテスト用として使用した。ディープラーニングのアルゴリズムはsemantic segmentationのPSPnetを用い、encoderとしてResNet50のアルゴリズムを用いて、ディープラーニングワークステーションへ実装した。それにより、高い精度で冠動脈不安定粥腫を同定することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、ディープラーニングの教師データを作成する工程を終え、ディープラーニングアルゴリズムを開発する予定であり、その目標を達成することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、より高い診断精度を得るために、アルゴリズムの微調整を行う予定である。その後、関西医科大学で過去に行われた冠動脈カテーテル治療の際に得られたOFDI画像を同アルゴリズムを用いて解析し、冠動脈カテーテル治療の際に生じうる合併症の予測や将来の急性冠症候群発症の予測が可能かについて検討する予定である。。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者(植田大樹)の直接経費が50,000円を見込んでいましたが、コンピューター環境を整えるのに物品費33,080円になりました。令和4年度に再度アルゴリズム微修正のためにコンピューター環境を再度整える必要があり、その際に使用する予定です。
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