研究課題/領域番号 |
21K08077
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
金森 寛充 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (20456502)
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研究分担者 |
吉田 明弘 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (50869906)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | オートファジー / 心不全 / 心筋症 / 心筋梗塞 / リバースリモデリング |
研究実績の概要 |
前年度までにヒト拡張型心筋症の心筋生検の研究ではオートファジー活性が高い症例は左室リバースリモデリングしやすいことを確認した。そこでオートファジーの促進が果たしてリバースリモデリングをもたらすか前向きに調べるためマウス大型心筋梗塞心不全モデルを 作成し検討した。SGLT2阻害薬(Empaglifrozin, 300mg/kg/day) のオートファジー誘導を仮説として本心不全マウスに投与し偽薬手術マウスにも同様に投与し比較検討した。SGLT2阻害薬の著明な尿糖排出が確認できた。心筋梗塞作成4週後より薬剤を投与したところ偽薬群は左室収縮能の低下、左室拡大がみられ、一方Empa群では左室収縮能の改善、心拡大の抑制がみられた。Empa群は心重量・心体重比は小さく、組織学的にも非梗塞領域の線維化面積は少なく、心筋細胞径は小さく左室リモデリングを抑制していた。代謝状態を調べるための血液検査でケトン体、血糖、HbA1cを測定したが2群間で有意な差は見られなかった。心筋組織の状態を電子顕微鏡で観察したところ偽薬群の心筋細胞ではオートファジー空胞やリソソームが増加した印象であった。一方でEmpa群ではさらに増加した印象であった。そこでLC3免疫染色により光学顕微鏡下でオートファジー空胞の数を計測したところEmpa群では有意な増加がみられた。さらにWestern blottingによるオートファジー関連蛋白(p62, LC3, Rubicon, cathepsin D)の定量評価を行ったところEmpa群では有意にオートファジーの促進が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現段階でSGLT2阻害薬によるオートファジー促進効果は確認できたがそれがどのように心機能の改善につながるか明らかにできていない。またオートファジーへの直接的、間接的な分子、シグナルまで検討できていない。
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今後の研究の推進方策 |
現段階でSGLT2阻害薬によるオートファジー促進と心機能改善は明らかにできたがそこに至るシグナル、メカニズムが不明である。Vivoの蛋白解析を進め関わるシグナルを同定する。そのシグナルが正しいかどうかを確認するためVitroの実験系を作り、そのシグナルの促進と阻害する操作を加えオートファジーが動くかどうかを調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
マウスカテーテルが壊れなかったため購入を先送りにしている。電顕用ダイヤモンドナイフが消耗しなかったため購入を先送りにしている。試薬、抗体は研究室に残っている古いものから順次使用していたため購入を先送りにしている。いずれも消耗しているため今年度は購入が必要である。コロナ感染症流行のため学会参加できなかった。今後学会発表する予定である。
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