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2023 年度 実績報告書

メタボリックシンドロームへのアミノ酸介入:心筋ミトコンドリア機能・動態の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K08078
研究機関名古屋大学

研究代表者

永田 浩三  名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (20378227)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードメタボリックシンドローム / ミトコンドリア分裂阻害薬 / 心筋病態 / ミトコンドリア機能・動態
研究実績の概要

研究代表者らが確立したメタボリックシンドローム(MetS)のラットモデルとやせ型対照ラットを用いて、ミトコンドリア分裂阻害薬であるMdivi-1 (Mdivi) のMetSおよび心筋病態への影響を検討した。
病態の安定している生後13週齢から病態が悪化する17週齢まで、MetSラットに対してMdiviを1 mg/kg(DMSO in saline)の濃度で隔日で腹腔内投与した。また、やせ型対称ラットとMdiviを投与しないMetSラットに対してvehicleとしてDMSO in salineを投与した。
研究成果の要約と考察は次の通りである。
① 対照群に比しMetS群では内臓肥満、インスリン抵抗性、高血圧が認められたが、MdiviはMetS群のこれらの指標に影響しなかった。② 心エコーではMetS群で左室肥大と左室拡張障害が認められた。Mdivi投与により左室肥大の程度は変わらなかったが、左室拡張障害が改善した。③ MdiviはMetS群の左室心筋細胞肥大には影響しなかったが、左室の線維化およびマクロファージ関連炎症を抑制した。④ MdiviはMetS群における左室心筋の活性酸素種(ROS)およびNADPHオキシダーゼ活性の増加を抑制するとともに、ミトコンドリアのROS産生の増加と膜電位の低下を抑制した。
今回、DahlSラットでの既報と同一用量のMdiviを投与した結果、既報と一部異なり左室肥大には影響しなかったが、血圧と無関係に左室のマクロファージ関連炎症、線維化、拡張障害を改善するとともに、ミトコンドリア機能障害(ROS産生と膜電位低下)と細胞の酸化ストレスを抑制した。これらの結果は、ミトコンドリアの分裂異常がミトコンドリアおよび細胞の酸化ストレス、炎症、ならびに心筋傷害と関連することを示唆する興味深い所見と考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Mdivi-1, a mitochondrial fission inhibitor, ameliorates cardiac fibrosis and diastolic dysfunction, but not hypertension, in rats with metabolic syndrome2024

    • 著者名/発表者名
      吉田恵輔、三島凜、田上海斗、奥澤透子、岩田晃陽、池田勝秀、室原豊明、永田浩三
    • 学会等名
      第88回日本循環器学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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