研究課題/領域番号 |
21K08088
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
代田 浩之 順天堂大学, 保健医療学部, 特任教授 (40197596)
|
研究分担者 |
藤本 進一郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70385871)
佐藤 英介 順天堂大学, 保健医療学部, 准教授 (00439150)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 冠動脈石灰化スコア / 心電図非同期下胸部単純CT画像 / 人工知能 |
研究実績の概要 |
令和4年度で心電図非同期下胸部単純CTから石灰化スコアを計測するアルゴリズムのもととなる心電図同期下胸部単純CTから石灰化スコアを自動測定するディープラーニングを用いたアルゴリズムの開発を終了した。当施設で後ろ向きに収集した心電図同期下胸部単純CT500例と造影CTの結果を基に非造影CT画像を構築した60例を教師データとしてハートラベリング法という冠動脈枝ごとにLM、LAD、RCA、LCXをラベリングしそれぞれの枝ごとの石灰化スコアも正確に算出できるアルゴリズムを構築し、それを畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いたAIモデルに組み込むことで、冠動脈全体のみならず血管別の冠動脈石灰化スコア(CAC score; CACS)を高精度で自動算出することに成功した。 当施設で前向きに収集した409例のCTデータを用いた内的バリデーションではCACSリスクカテゴリを高精度で予測し(Cohen's kappa statistic=0.89)、血管別のCACSについても極めて高い精度で算出した(R=0.88 [LMT], 0.99 [LAD], 0.94 [LCX], 0.99 [RCA])。さらに450例のスタンフォード大学から提供されているCTデータで外的バリデーションを行ったところ、内的バリデーション同様にCACSリスクカテゴリ、(Cohen's kappa statistic=0.95)、血管別のCACSいずれも高い精度の算出が認められた(R=0.85 [LMT], 0.98 [LAD], 0.98 [LCX], 0.99 [RCA])。 心電図非同期下胸部単純CTから石灰化スコアを計測するアルゴリズムについては心電図同期と非同期の胸部単純CTを前向きに収集した400例のデータセットをもとに開発を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度における研究はおおむね順調に進行している。当初予定していた心電図非同期下胸部単純CTから石灰化スコアを計測するアルゴリズムのもととなる心電図同期下胸部単純CTから石灰化スコアを自動測定するディープラーニングを用いたアルゴリズムの開発やそのバリデーションは終了した。現在心電図同期下胸部単純CTから石灰化スコアを測定するアルゴリズムもほぼ開発終了段階にきており、今後その精度検証を行う予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度は人工知能を用いて心電図同期下胸部単純CTから石灰化スコアを自動測定するアルゴリズム開発に関する論文発表を行う。また人工知能を用いて心電図非同期下胸部単純CTから石灰化スコアを計測するアルゴリズムを完成し、その精度における内的バリデーションと当院も参加している心電図非同期下胸部CTによる冠動脈カルシウム評価法における多施設研究のデータセットとスタンフォード大学から公表されているデータの両者を使用した外的バリデーションを行い、開発の終了まで行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響もあり、本研究に関連する学会出張や学会発表も予想より少なく低予算であった。次年度は今年度の研究成果を発表するための学会参加・出張費と論文校正・投稿にかかる費用や心電図非同期下胸部単純CTから石灰化スコアを計測するアルゴリズム開発における解析のためのPC費用等に使用する予定である。
|