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2021 年度 実施状況報告書

肺高血圧症における遺伝的新規予後規定因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K08097
研究機関東北大学

研究代表者

矢尾板 信裕  東北大学, 大学病院, 助教 (00735368)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード肺高血圧症
研究実績の概要

肺高血圧症、右心不全進行の予後規定因子の遺伝的素因、及び代謝経路を検討するために、Primary endpointを死亡、または肺移植の施行に設定して、Exome解析を施行した肺高血圧症患者96名の予後を検討したが、追跡期間が3年と短いこともあり、イベント数が少なくイベントの有無での解析が困難と判断した。そのため、2002年から2017年までの当院に受診歴のある肺高血圧症患者127名を登録し、データベースを作成した。Primary endpointを死亡、または肺移植の施行に設定して、予後規定因子を後ろ向きに検討し、臨床データにおける予後規定因子を検討した。その結果、診断時の平均肺動脈圧(Hazard Ratio(HR)1.0(0.99-1.02))や心係数(HR0.92(0.66-1.27))、BNP(HR1.00(0.91-1.07))といった既報で言われてきた肺高血圧症の予後規定因子は単変量解析では候補にならず、60歳以上(HR2.03(0.97-4.35))、WHO Functional class III-IV(HR2.44(1.42-4.24))、RVEDP(HR1.06(1.0-1.12))が予後規定因子となっていることが示された。近年の肺高血圧症治療の進歩により、肺高血圧症の予後規定因子が既報の因子と現在の予後規定因子が異なる可能性があることが示唆された。また、肺高血圧症患者15名のメタボローム解析を施行し、代謝経路に関しての情報をえた。
今後は今回認められた予後規定因子によりエクソーム解析で得られている肺高血圧症患者を層別化し、高リスクの患者で認められる遺伝子変異を探索していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初はエクソーム解析を施行した肺高血圧症患者の追跡調査で予後判定を行おうと考えたが、平均3年間の追跡期間が短いこともありイベント数が少なく困難であった。そこで、後ろ向きの肺高血圧症患者127名のデータベースを作成することで、予後予測因子を明らかにすることができた。今後は今回認められた予後予測因子によりエクソーム解析を施行している肺高血圧症患者を分けることで、新規の予後予測の遺伝的背景、代謝経路に関して検討していく。

今後の研究の推進方策

概ね予定通りに進行中である。今後メタボローム解析のパスウェイ解析を施行し、データベースを強固なものにしていく。また、予後予測因子からエクソーム解析を施行した患者を層別化し、右心不全進行のリスクの高い肺高血圧症患者に頻繁に認められる遺伝変異に関して検討する。

次年度使用額が生じた理由

メタボローム解析の検体が既定の数より少なく、解析数が少なかったことが原因である。次年度に繰り越し、メタボローム解析の検体数を計画通り増やしていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Influence of Targeted Medical Therapy after Balloon Pulmonary Angioplasty in Chronic Thromboembolic Pulmonary Hypertension2022

    • 著者名/発表者名
      矢尾板 信裕
    • 学会等名
      日本循環器学会 2022

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公開日: 2022-12-28  

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