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2021 年度 実施状況報告書

高血圧診療の革新を目指す原発性アルドステロン症の自己抗体研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K08099
研究機関金沢大学

研究代表者

出村 昌史  金沢大学, 医学系, 准教授 (00507080)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード原発性アルドステロン症 / 自己抗体 / 高血圧
研究実績の概要

自己免疫性原発性アルドステロン症(Autoimmune-induced Primary Aldosteronism, AIPA)の診断マーカー(自己抗原)を選定することを目的としている。
過去の検討で、CYP11B2発現刺激作用を有するIgG(AIPA症例のIgG)と副腎皮質培養細胞H295Rの蛋白抽出物で免疫沈降ー質量分析により17種の自己抗原候補タンパクを同定した。これら17種の候補膜タンパクおよび、原因遺伝子として知られる6種の膜タンパク
(イオンチャンネルやポンプ)についてタグ(FLAG Tag)付き組み換えタンパクをリポソームとともに再構成を試み、18種の膜タンパクのリポソーム作成に成功した。
一方、2施設から原発性アルドステロン症症例の血清を収集した。副腎静脈サンプリングにて両側性、片側性の確定診断がなされた末梢血サンプルをそれぞれ78例ずつ収集した。また、正常血圧者34例の血清を収集した。
次に、これら末梢血サンプルの抗体価を測定した。すなわち、膜タンパクリポソームと血清を混合しインキュベーションした後、Alpha(Amplified Luminescent Proximity Homogeneous Assay) によりマイクロプレート上で膜タンパクと血清IgGの相互作用を検出することにより抗体価を測定した。それぞれの膜タンパクの抗体価についてROC解析を行い、両側性PAを診断する診断マーカーとして性能評価を行った。ROC曲線下面積(AUC)の最大値は0.8を超え、診断マーカーとしての有用性が示唆された。また、特定の膜タンパクに対する抗体価が非常に高値を示す症例が存在し、また、高い抗体価を示す膜タンパクが症例ごとに異なっており、症例ごとに異なる複数の自己抗原の存在が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

18種の抗体価の測定を終了でき、また、そのうち有用な診断マーカーを選定できたから。

今後の研究の推進方策

抗体価の測定結果から、AIPAの自己抗原として複数の膜タンパクが存在し、さらに自己抗原は症例ごとに異なることが示唆された。今後は、バイオアッセイ系を確立し、刺激性抗体の証明を目指す。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、バイオアッセイ実験を実施しなかった。また、学会発表、論文出版も実施しなかった。これらの事項を次年度以降、実施していくことで使用予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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