研究課題/領域番号 |
21K08107
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
笠原 真悟 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90233692)
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研究分担者 |
森田 瑞樹 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 教授 (00519316)
藤井 泰宏 岡山大学, 大学病院, 助教 (40534673)
平井 健太 岡山大学, 大学病院, 研究准教授 (50814224)
逢坂 大樹 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70839141)
諸岡 健一 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (80323806)
坂野 紀子 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (80574813)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | マラソン心事故 / 致死性不整脈 / 心電図モニタリング / AI解析 |
研究実績の概要 |
本研究では、マラソン心事故予防に向けた致死性不整脈の予知アルゴリズム構築に取り組んでいる。研究課題は大きく3つに分けられる。①ヒトでのマラソン時心電図取得、②ブタでの不整脈誘発試験、③各データの解析、AI処理である。2023年度の実績概要は以下である。 A: 2023年11月に行われた岡山マラソンにおいて、昨年度と同様、Xenoma社製ホルター心電図(多誘導型)を用いて5名のモニタリングを行った。目的は、前年度、雨天での記録がpoorであり、電極の接着・固定を含めて見直した。その結果、5名とも概ね良好な記録・解析が出来たため論文として発表した(Hirai et al., 2024, Journal of Cardiology Cases, in press)。B: Aでのデータ、および昨年度の動物実験で得られた心電波形から、新規アルゴリズム構築に向けて解析中である。また、心電図データ単体だけでなく、他生体データ(体温、血圧、乳酸値など)を組み合わせたリスクファクター算出も含めた多方面からのアルゴリズム構築を模索している。C: Bでのアルゴリズム構築と同時に、遠隔モニタリング技術の社会実装に向けた展開を加速するためAMEDへアプライしたものの不採択であった。D: Aの取り組みに関して、岡山マラソン実行委員会で活動報告を行った。継続的な研究活動を運営側からも期待されており、実施体制の拡充を模索している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は論文を一報発表出来たものの、心電図波形解析が十分に進まなかった(技術的に難しい)。よって、一年間の延長申請を行い、再度アルゴリズム構築を試みる。
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今後の研究の推進方策 |
新規心電図アルゴリズム(致死性不整脈発生前の予兆を検出する)構築を最終目標としているが、ブタでの虚血誘導波形(ST変化が起こる前)を元に取り組む。さらに、フルマラソン時のヒトでの多くのデータを元に、ST変化自体をリアルタイムで検出する技術も目標に据えて取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
経費節減等の努力に加え、代表者の多忙等の要因で繰越金が出来た。しかし、計画的に研究期間を延長し、動物実験、およびデータ解析費用とする。
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