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2022 年度 実施状況報告書

中年・若年者急性心筋梗塞の病因および病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K08115
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

猪原 拓  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (10635262)

研究分担者 隈丸 拓  東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (00511461)
香坂 俊  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30528659)
植田 育子  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (80571398)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード急性心筋梗塞
研究実績の概要

従来、動脈硬化性プラークの破綻が急性心筋梗塞の病因であると考えられてきたが、近年、中年・若年患者の致死的な急性心筋梗塞では、特発性冠動脈解離(SCAD:spontaneous coronary artery dissection)あるいは冠動脈の閉塞を伴わない急性心筋梗塞(MINOCA:myocardial infarction with non-obstructivecoronary arteries)が重要な病態として認識されてきている。こうした中年・若年者の急性心筋梗塞は致死的であり、早急な解明が期待される領域であるが、その発症頻度が稀であるため、大規模データを用いた解析が必須である。本研究では、中年・若年の急性心筋梗塞に焦点を置いた多施設前向きデータベースを構築し、病態の解明および妥当な治療戦略の道筋を示すことを目的とする。

初年度は、既存の心筋梗塞のレジストリデータベースを改修し、SCADあるいはMINOCAの診断および病態理解のために必須である、冠動脈造影、冠動脈イメージング、心臓MRI所見を包含したデータベースを構築することに注力した。追加収集項目に対応するため、症例報告書(CRF)および電子的データ収集システム(EDC)の修正を行なった。

2年目である今年度は、症例の登録を開始した。冠動脈造影あるいは冠動脈CTにて冠動脈の閉塞あるいは狭窄を伴わないことが確認された急性心筋梗塞患者を計5例登録した。各症例において負荷心臓MRIを用いて微小循環障害の評価も同時に行った。これらの症例の詳細な解析に関しては今後行う予定である。また本邦における動脈硬化リスクを有さない集団に発生する心筋梗塞の現状をより詳細に把握するために、既存の心筋梗塞データベースを用いた解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

関連施設での登録も予定し準備を進めていたが、共通の負荷心臓MRIのプロトコールを運用することが困難であるということが判明し、単施設で症例登録する方針とした。そのため、症例登録のペースが当初予定されていたものと比較し、遅れをとっている。

今後の研究の推進方策

これまでに登録された症例に関しては、採血データ、冠動脈造影あるいは冠動脈CTデータ、負荷心臓MRIと詳細な情報が得られているため、こちらの解析を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

EDCの開発に要した金額が、当初の想定よりも安価であったため差分が生じた。差分に関しては、画像データの詳細な解析費用として充てる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Differences in Revascularization Strategy and Outcomes by Clinical Presentations in Spontaneous Coronary Artery Dissection2022

    • 著者名/発表者名
      Inohara Taku、McAlister Cameron、Samuel Rohit、Starovoytov Andrew、Grewal Tejana、Argote Parolis Johandra、Mancini G.B. John、Aymong Eve、Saw Jacqueline
    • 雑誌名

      Canadian Journal of Cardiology

      巻: 38 ページ: 1935~1943

    • DOI

      10.1016/j.cjca.2022.07.008

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Canadian Spontaneous Coronary Artery Dissection Cohort Study: 3-Year Outcomes2022

    • 著者名/発表者名
      Saw J, Starovoytov A, Aymong E, Inohara T, Alfadhel M, McAlister C, Samuel R, Grewal T, Parolis JA, Sheth T, So D, Manhas K, Brass N, Lavoie A, Bishop H, Lavi S, Pearce C, Renner S, Madan M, Welsh BC, McGrath BM, Vijayaraghavan R, Har B, Ibrahim R, Chaudhary P, Ganesh SK, Graham J, Matteau A, Martucci G, et al.
    • 雑誌名

      Journal of the American College of Cardiology

      巻: 80 ページ: 1585~1597

    • DOI

      10.1016/j.jacc.2022.08.759

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Treatment pattern and outcome of SCAD in Japan~Important Clinical Entity of MINOCA2022

    • 著者名/発表者名
      猪原 拓
    • 学会等名
      第86 回日本循環器学会学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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