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2023 年度 実績報告書

中年・若年者急性心筋梗塞の病因および病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K08115
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

猪原 拓  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (10635262)

研究分担者 隈丸 拓  東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (00511461)
香坂 俊  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30528659)
植田 育子  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (80571398)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード急性心筋梗塞 / MINOCA
研究実績の概要

従来、動脈硬化性プラークの破綻が急性心筋梗塞の病因であると考えられてきたが、近年、中年・若年患者の致死的な急性心筋梗塞では、特発性冠動脈解離(SCAD)あるいは冠動脈の閉塞を伴わない急性心筋梗塞(MINOCA)が重要な病態として認識されてきている。本研究では、中年・若年の急性心筋梗塞に焦点を置いた前向きデータベースを構築し、病態の解明および妥当な治療戦略の道筋を示すことを目的とした。

この MINOCA の病態把握を行うために、既存の動脈硬化リスク(高血圧・高脂血症・糖尿病等)を有さない集団に発生した急性心筋梗塞の特徴やアウトカムの評価を行った(10,523 例ののカテーテル治療実施例を登録し、解析)。こうした症例の相対的な頻度は少なかったものの(6.8%)、心原性ショックなど重篤な症候を伴って来院することが多く、院内死亡率も既存の動脈硬化リスクを有する症例と比較して高率であることが明らかとなった(10.2% vs. 4.1%、統計的な補正を行った後も有意に高リスク)。こうした症例群が、これまで MINOCA とされた症例群とどの程度の親和性を持つかという方向での作業が今後行われていく予定である。

前向きでの MINOCA 症例の登録も進行しており、微小循環障害を評価する負荷造影心臓MRIの撮像方法のプロトコールを統一に向けての作業が進められている。しかし、研究代表者の営利企業への異動に伴い、研究の実施そのものが困難となり、少数例でのデータの検討に留まることとなる。MRI撮像を行った症例で、遅延造影の有無、あるいは薬剤負荷による変動などを定量的に解析しているが、実際に MINOCA とされる症例の微小循環障害が認められるのは一部にとどまり、他の様々な病因が包含されている可能性が示唆されている(今後専門学術誌等に報告予定)。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件)

  • [国際共同研究] University of British Columbia(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      University of British Columbia
  • [雑誌論文] Standard modifiable cardiovascular risk factors in patients with acute coronary syndrome: A report from multicenter percutaneous coronary intervention registry2023

    • 著者名/発表者名
      Iwata Juri、Inohara Taku、Shiraishi Yasuyuki、Nakamaru Ryo、Niimi Nozomi、Ueda Ikuko、Suzuki Masahiro、Noma Shigetaka、Numasawa Yohei、Fukuda Keiichi、Kohsaka Shun
    • 雑誌名

      Journal of Cardiology

      巻: 81 ページ: 571~576

    • DOI

      10.1016/j.jjcc.2023.01.009

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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