研究課題/領域番号 |
21K08126
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
錦見 俊雄 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (80291946)
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研究分担者 |
高濱 博幸 東北大学, 大学病院, 講師 (10570301)
南野 直人 (財)蛋白質研究奨励会, その他部局等, 研究員(移行) (50124839)
中川 靖章 京都大学, 医学研究科, 助教 (70452357)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | BNP / 心不全 / mature BNP / proBNP / N-terminal BNP / ANP / ARNI / 心臓リモデリング |
研究実績の概要 |
心不全患者におけるアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)を投与したときのBNP分子種の変化と意義について検討した。全体(n=54)で検討すると、ANPは増加し、12週で約2倍になった。BNP、mature BNP、total BNPは低下傾向にあるものの全体を通して有意な変化はなかった。一方、NT-proBNP、proBNPは有意に低下した。N-terminal BNPが12週で30%以上低下する群をresponder群(n=31)、それ以外をnonresponder群(n=23)と定義し、2群に分けて解析した。responder群ではmature BNP、proBNP、total BNP、ANP、BNP共にnonresponder群に比べて2、4、8、12週と有意に低下した。すなわち、先行研究でBNPが上がったり、変化がなかったり差が生じていたのは、responder群、nonresponder群の含まれる比率で結果が変わることが示唆された。2、4週の各々の値が、12週に判定するresponderを予知できるのかをROC curveを用いて検討すると、2週におけるmature BNP、proBNP、total BNP、N-terminal BNP、ANP、BNPのAUCは各々0.68、0.74、0.71、0.80、0.68、0.69で、カットオフ値は前値に対して各々1.54倍、0.90倍、1.13倍、0.78倍、2.28 倍、1.10倍であった。4週においても同様の検討を行うと、AUCは各々0.75、0.81、0.78、0.89、0.79、0.79で、カットオフ値は各々、1.80倍、0.90倍、1.19倍、0.70倍、2.45 倍、1.09倍であった。すなわち、2Wの値でN-terminal BNPでは80%、BNPで約70% responderを予測できることが判明した。4Wではその予測能は増加し、N-terminal BNPで約90%、BNPでは約80%の確率でresponderを予測できることがわかった。2W、4W、8W、12Wにおけるそれぞれの分子種間の相関ではr=0.60~0.90台といずれも良好な相関を認めた。これらの結果からARNI投与時のナトリウム利尿ペプチド分子種はネプリライシン阻害で多少の影響を受けるものの、総じて同じ方向で変動していることが示唆された。
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