慢性血栓塞栓性肺高血圧(CTEPH)患者では右室流入路壁運動は保持されている一方で、心尖部や流出路機能が低下している患者が存在することを明らかにした。さらに、肺動脈性肺高血 圧における右室流入路、心尖部、流出路それぞれの機能の特徴と意義について検討した。右室流入路は平均肺 動脈圧や肺血管抵抗等の血行動態と有意な相関を認めたが、右室流出路機能は相関を認めなかった。一方で、右室流出路機能は全死亡と 心不全入院等の予後と有意に相関したが、右室流入路機能は相関を認めなかった。以上より右室局所の機能は部位によって臨床的意義が異なり、 従来の指標より治療法の選択や予後予測に有用である可能性が示唆された。
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