研究課題/領域番号 |
21K08157
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
濱田 昌平 熊本大学, 病院, 特任助教 (30833991)
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研究分担者 |
坂上 拓郎 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (00444159)
一安 秀範 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (50419636)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Xa因子阻害薬 / DOAC / 出血リスク / PT-INR / モニタリング |
研究実績の概要 |
本研究では、PT-INR値と血中濃度の相関が示唆されるXa因子阻害薬(リバーロキサバン、エドキサバン、アビキサバン)による抗凝固療法を要する呼吸器疾患症例を対象とした前向きの無作為化比較試験を行う。1)薬剤毎の出血イベント発生頻度と特徴の違い、2)出血イベント発生のリスク因子の同定、3)PT-INR値と出血イベント発生の関連、4)薬剤毎の血栓症再燃頻度、を明らかにすることを目的としている。本研究により、Xa因子阻害薬のリスク・ベネフィット、とくに出血リスクの違いが明らかにできれば、血栓症の頻度が高いだけでなく気道出血を生じやすい呼吸器疾患患者において最適なDOAC薬剤を選択する一助となり得る。さらに、PT-INR値の上昇と出血リスクの関連が明らかになれば、安全性を担保するためのモニタリングの必要性を示す可能性があり、実臨床に還元できる基盤的知見となり得る研究である。 当該年度の進捗状況としては、本研究と同様の内容を目的として、Xa因子阻害薬であるリバーロキサバン、エドキサバンを投与された呼吸器疾患症例を対象として後方視的な観察研究を開始している。すでに症例データ集積は終了し、統計解析の結果を得ており、論文化を進めている段階である。この予備的研究結果をまとめ検討することで、前向きの無作為化比較試験である本研究を進捗させるために必要な症例数や、Xa因子阻害薬血中濃度の測定時期、測定回数、評価項目の設定について重要な情報を得ることが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究を推進していくためには予備的検討を行うことが重要である。先行研究として、後ろ向き観察研究は論文化に向けて順調に進捗しているが、本研究の症例集積が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
予備的研究結果を基して必要な症例数や、Xa因子阻害薬血中濃度の測定時期、測定回数、評価項目を詳細に設定し、本研究を推進していく。症例集積の終了後に、解析を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究を進捗するために必要なXa因子阻害薬の血中濃度を測定する抗FXa因子アッセイを購入できていないため。
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