研究課題/領域番号 |
21K08170
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
品川 尚文 北海道大学, 大学病院, 特任教授 (20431372)
|
研究分担者 |
畑中 豊 北海道大学, 大学病院, 特任准教授 (30589924)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 気管支腔内超音波断層法 / 腫瘍含有率 / AI |
研究実績の概要 |
【背景】肺がん診療において網羅的に遺伝子解析を行うことができる次世代シーケンサー(NGS)の重要性は年々高まっている。本邦で広く普及しているオンコマインDx Target TestマルチCDxシステムを用いた遺伝子解析には腫瘍細胞含有率30%以上の検体が推奨されているが、経気管支生検では腫瘍細胞含有率が低い検体しか採取できないことがある。 【目的】ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法下経気管支生検(EBUS-GS-TBB)検体の腫瘍細胞含有率と関連がある臨床因子を明らかにする。 【方法】当院で2018年10月から2021年9月の期間にEBUS-GS-TBB 検体を用いてNGS解析を行なった50例を対象とし、腫瘍細胞含有率30%未満(低率群)と30%以上(高率群)の2群に分け、後方視的に検討した。 【結果】低率群、高率群はそれぞれ13例、37例であった。低率群は高率群と比較して病変が肺門からの距離 “内側1/3” に存在している症例が多い傾向があった(46.2% vs 18.9%, p=.073)。EBUS所見については低率群では高率群と比較してAdjacent toであった症例(38.5% vs 8.1%, p=.021)や栗本分類Type ⅢBであった症例(76.9% vs 37.9%, p=.024)が有意に多かった。一方で生検回数、使用したガイドシースのサイズ、1.5mm鉗子以外のデバイス(1.9mm鉗子やクライオプローブ)使用の有無では含有率に差がなかった。 【結語】EBUS-GS-TBB検体の腫瘍細胞含有率は病変位置やEBUS所見によって予測できる可能性がある。今後、AIを使ったEBUS画像の解析を開始する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
AIソフトの開発には、予想以上に金銭と専門知識が必要で、専門知識、技術をもち、かつ低コストでサポートしてくれる協力者の確保に苦慮している。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、当初予定していた企業に相談しながら、協力者の調整を行っている。 なかなか実行可能な人員確保が難しい場合には、北海道大学内の他学部とのコラボの可能性について検討する。 今年度中には、静止画を用いた画像解析を開始し、ある程度の結果を得ることを目標としたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
学会参加、出張旅費が新型コロナの流行により難しくなり旅費の使用がなかった。 AIの開発が予定よりも進捗が遅れている。 次年度は、AI開発等で相当額を使用する予定である。
|