研究課題
慢性閉塞性肺疾患(COPD)におけるフレイルティでは、認知機能障害を引き起こすことがある。特に、認知機能に重要な海馬の体積減少は、認知能力の低下を示すものであるが、神経画像技術の専門性と難易度の高さから、これらの問題が臨床現場で見過ごされがちである。この悪循環を断ち切るためには、本病態を特定するシンプルかつ効果的なスクリーニングツールの開発が必要である。本研究は、フレイルティ評価質問票が特に海馬の体積減少に焦点を当てたCOPD患者の脳フレイルティを検出する一助となるかを探求するものである。具体的に、COPD患者における海馬萎縮の非侵襲的診断ツールとしての基本チェックリスト(KCL)の診断的有用性を評価することを目的とした。COPD患者40名と健康な成人20名を対象に、KCLを用いて7つの構造的領域にわたるフレイル状態を評価した。T1強調MRI画像から海馬の体積を測定し、ROC分析を実施してKLCによる海馬萎縮の弁別能力について検討を行った。その結果、COPD患者は健康な被験者に比べて左海馬の体積が有意に小さく萎縮していることが示された(p < 0.05)。KCLのサブドメインの中で、日常生活の器具使用及び社会的活動(KCL 1-20)と左海馬体積との単変量相関係数が最も大きかった(ρ = -0.54、p < 0.0005)。また、KCL(1-25)およびKCL(1-20)は、左海馬体積の最低25%に属する個人を特定するための診断的有用性(それぞれの特異性93%、感度90%)を示し、AUCは0.82であった。結論:日常生活の脆弱性に焦点を当てたフレイルティアセスメントツールであるKCLは、COPD患者における海馬萎縮を効果的に検出することができることが示唆された。
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すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 16件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (2件)
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