研究課題/領域番号 |
21K08186
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
中込 一之 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (60401113)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 気管支喘息 |
研究実績の概要 |
緒言: 喘息はコントロール良好な疾患となったが、喘息増悪は今でもしばしば見られ、増悪の予防及び治療法の確立は重要と考えられる。Cadherin-related family member 3(CDHR3)は、cadherin superfamilyに属する膜貫通の糖蛋白で、気道上皮細胞に発現するが、その機能はよくわかっていない。近年、CDHR3の遺伝子変異は、小児喘息における重度な増悪と関連することが報告された。さらにCDHR3は、ライノウィルスの中で重篤病態を引き起こすとされる、C型ライノウィルスの受容体であることが判明し、喘息増悪に関与する可能性が示唆されている。今までに①CDHR3が好酸球のエフェクター機能を直接活性化させること②CDHR3の変異遺伝子をHeLa細胞にtransfectionすると、好酸球のHeLa細胞に対する接着及び活性酸素産生が増強することを報告した。今回我々は、CDHR3が好中球のエフェクター機能を直接活性化するかにつき検討した。 方法: 健常人の末梢血好中球を使用した。好中球は、デキストラン及びPercoll液で分離した。好中球をCDHR3でcoatしたplateとincubateし、残存ペルオキシダーゼ測定法または細胞数測定キットで接着反応を測定した。また、好中球の活性酸素産生を、チトクローム還元法を用いて測定した。好中球からのmyeloperoxidase (MPO)の放出をELISAで測定した。 結果: CDHR3は好中球の接着を誘導した。さらに、CDHR3は好中球からの活性酸素産生およびMPO放出を誘導した。 考察: 今研究から、CDHR3は好中球のエフェクター機能を活性化することが明らかとなった。今後SARS-CoV-2の受容体であるACE2またTMPRSS2の好酸球または好中球機能に与える影響について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述の研究実績だけでなく、現在以下のプロジェクトが進行中であり、特に②はCOVID19の影響もあり、細胞入手が困難で、研究全体では遅れている。 ①ACE2, TMPRSS2またはORMDL3の好酸球・好中球機能に対する影響 ②ALIシステムを用いたRV-A/B/C に対する抗ウィルスサイトカインや薬剤の効果 ③IFN-α/β/λのマウス喘息モデルに対する効果
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今後の研究の推進方策 |
①ACE2, TMPRSS2またはORMDL3の好酸球・好中球機能に対する影響;ACE2, TMPRSS2またはORMDL3が好酸球または好中球機能を直接活性化するかにつき、現在予備実験を行っている ②ALIシステムを用いたRV-A/B/C に対する抗ウィルスサイトカインや薬剤の効果 現在ALIシステムの立ち上げ中である。RV-A、B、C を使用し、RV に効果が期待される薬剤(マクロライド系抗生剤、気管支拡張薬など)の治療効果の違いを調べることで、種特異的な治療法を検討する ③IFN-α/β/λのマウス喘息モデルに対する効果 IFN-λのマウス喘息モデルに対する効果を検討し、IFN-α/IFN-βの作用と比較検討する。抗炎症作用を示す場合は、臨床応用も念頭に置き、より良い投与経路やその作用機序を検討する
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次年度使用額が生じた理由 |
ALIシステムの構築に時間がかかっていることもあるが、COVID19により細胞入手が困難で、研究がさらに遅れている。来年以降の本実験で使用させていただく
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