肺癌細胞の上皮間葉転換 (EMT)に対する低酸素性アシドーシスの影響を検討した。低酸素曝露によりE-カドヘリン蛋白の減少によるEMTが生じたが、培養液のアシドーシスの中和により抑制された。その機序として低酸素性アシドーシスでは、E-カドヘリンmRNAの減少とE-カドヘリン蛋白のユビキチン化による分解促進が認められた。さらに低酸素下ではアジスロマイシンがマイトファジーを抑制して肺癌細胞にアポトーシスを誘導した。またフェノフィブラートがnuclear factorerythroid 2-related factor 2の活性化を介してシスプラチンに対する抵抗性を亢進させることも明らかになった。
|