研究実績の概要 |
小細胞肺がん細胞株のProx1の発現を確認したところMS-1、H1688,H592,H209,H82,H69でProx1の発現を認めSBC3,SBC5で発現が陰性であった。 このためProx1高発現の細胞株であるMS-1を実験に使用しProx1 siRNAでProx1を抑制したところMTT assay、clonogenic assayで細胞増殖がコントロールと比較して増加した。また浸潤能、遊走能をtranswell chabmer法を用いて確認したところProx1 siRNAで増強していた。次にSBC3, SBC5を使用しProx1を強制発現させたところコントロールと比較して細胞増殖能の低下と浸潤能、遊走能の低下を認めた。 次にProx1を抑制した場合の関連する分子の蛋白発現をwestern法にて確認したところNotch1-4,下流遺伝子であるHES1, HEY1を含むNotch関連蛋白の発現は予想と反して特に変化を認めなかった。またProx1を強制発現した細胞株においても同様の結果でとなりNotch pathwayとの関連性を認めなかった。 neuroblastoma cellsにおいてProx1はp-27 kip1とCdc25Aを直接転写制御しcell cycleや、細胞増に影響を及ぼすことが報告されており(Foskolou IP, et al. Oncogene, 2013)p-27 kip1の蛋白発現とmRANの発現をwesternとRT-PCRにて確認した。MS-1細胞株においてProx1 siRNAによるProx1の抑制はp-27 kip1の発現の低下を認めた。又SBC3, SBC5 のProx1の強制発現細胞株においてはp27の発現が増強していた。さらにcell cycleを確認したところProx1の強制発現細胞株でG1 cell cylce arrestを認めた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は細胞実験としてProx1 抑制または強制発現時のCdc25Aの発現とCyclinD1, CyclinA やCyclinBといった他のcell cylceにかかわる分子の発現をwestern 法、またはRT-PCRで確認する。またFACSにてcell cylceについての実験回数を重ねる。さらにProx1抑制または発現細胞株におけるPARPやcaspase3などのアポトーシス関連の分子の発現をwesternにて確認する。 さらにヌードマウスにSBC-3またはSBC-5 親株とProx1 強制発現細胞株をそれぞれ皮下注射しマウスモデルを作成する。その後皮下腫瘍の大きさを測定し親株と強制発現細胞株の腫瘍増大について検討する。また一部のマウスモデルの皮下腫瘍を切除しProx1、p-27 kip1、Cdc25A、cell cylce関連分子、アポトーシス関連分子の発現をwesternまたはRT-PCRにて確認する。現在MS-1にProx1 shRNAベクターをトランスフェクションし細胞株が樹立したためProx1の発現、関連蛋白の発現などを同様に確認する。また増殖能や、遊走、浸潤能についてもMTT assay, clonogenic assay、transwell chamber法で検討する。さらにヌードマウスにsnRNA細胞株を皮下接種し同様にマウスモデルを作成し細胞増殖能を確認する。 これらの実験結果を確認しながら今後学会発表、論文化の準備をすすめていく。
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