研究課題
チリダニ誘発性アレルギー性気道炎症モデルマウスを作成し、気道炎症の評価を行った。PBSコントロールと比較しHDM投与群において、気道肺胞洗浄液中に好酸球浸潤が生じアセチルコリンに対する気道過敏性が亢進していることからアレルギー性気道炎症が惹起されていることが明らかとなった。また、組織学的にも気道周囲への好酸球浸潤、リンパ球浸潤が明らかであり、杯細胞過形成も生じていた。これらのマウス肺を用いて、気道上皮細胞の恒常性維持機構の解析を行った。マウス肺を単細胞に分離しFACSソーティングにより気道上皮細胞を単離し、気道上皮細胞のクロマチンリモデリングを解析したところ、気道上皮細胞においてヒストンアセチル化、DNAメチル化などが生じていることが明らかとなった。また、これらのクロマチンリモデリングはSTAT6欠損マウスにおいて優位に減弱していることから、Th2サイトカイン経路が重要な働きを持つことが推測された。今後はIL-18欠損マウスなどの解析を予定しているが、現時点では、コロナ感染の拡大により予定していた遺伝子欠損マウスの入手が遅れており、野生型マウスを用いた実験のみ進行している。また、ヒト喘息の解析のため倫理申請を提出し、現在共同研究施設を含めて審査が進められている。本研究では肺癌合併気管支喘息を対象として切除肺を用いてRNAシークエンス解析を行うことを予定している。
4: 遅れている
前述のようにコロナ感染の影響により予定していた遺伝子欠損マウスの入手が困難な状況が続き、予定していた実験が遅れている。
遺伝子欠損マウスの入手を促進し、同マウスでもアレルギー性気道炎症モデルを作成し気道上皮細胞の解析を行う。特に本研究ではSTAT6欠損マウスとともに、気道上皮特異的STAT3欠損マウス、IL-22欠損マウスを先行させ、気道上皮恒常化維持における転写因子、サイトカインの働きを解析する。また、倫理申請が承認され次第、ヒト気管支喘息でも解析を進める予定である。本研究では肺癌合併気管支喘息を対象として切除肺を用いてRNAシークエンス解析を行うことを予定している。
前述のようにコロナ感染の拡大により予定していた遺伝子欠損マウスの入手が遅れており、実験が遅れている。また、ヒト喘息患者の解析に関しても倫理申請の過程であり、まだ開始できていない。このため次年度使用額が生じている。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
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https://naritahospital.iuhw.ac.jp/doctor/rheumatology-allergy.html