研究課題
気管支喘息において気道上皮細胞はTh2サイトカインの標的となり気道過敏性や粘液過剰産生などの病態形成に寄与するのみでなく、自らもサイトカインを産生し樹状細胞や自然リンパ球を活性化することにより炎症の誘導に関与する。一方、申請者はこれまでの研究により気道上皮細胞を介したアレルギー性気道炎症の抑制機構が内在することを示し、気道上皮細胞の機能調節により喘息の発症・増悪を抑制できる可能性を示唆した。本申請研究ではこれらの研究を発展させ、次世代シーケンサを用いたトランスクリプトーム・エピゲノム解析により気道上皮細胞におけるサイトカインネットワーク、シグナル伝達分子・転写因子のクロストークを網羅的に解析し、気道上皮細胞の恒常性維持機構、および機能修復機構の解明を目的とした。C57BL/6マウスの気道へHDMを反復投与することによりアレルギー性気道炎症を惹起する。PBS投与(コントロール)群、HDM投与群のマウスから気道上皮細胞をFACSにより単離し、RNAシークエンス法を用いて発現遺伝子を網羅的に比較した。この研究で、研究者らはHDM誘発性アレルギー性気道炎症を惹起したマウスの気道上皮細胞においてIL-1 family関連分子が高発現しており、中でもIL-18受容体(IL-18R)とともにIL-18Rシグナルの正および負の調整因子であるIL-18、IL-18BPがともに高発現していることを見出した。これらの事実は気道上皮細胞の恒常性がIL-18シグナルの平衡状態により制御されている可能性を示唆している。
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