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2021 年度 実績報告書

短鎖脂肪酸受容体であるGPR41/43をターゲットにした慢性腎臓病の新規治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 21K08225
研究機関福井大学

研究代表者

三上 大輔  福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (90464586)

研究分担者 岩野 正之  福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (20275324)
木村 秀樹  福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 准教授 (20283187)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2022-03-31
キーワード腸内細菌叢 / 短鎖脂肪酸 / GPR41 / GPR43
研究実績の概要

近年,「腸腎連関」の概念が注目されている.しかし,腸内細菌叢と慢性腎臓病(CKD)の進展の病態については依然不明な点が多い.我々は,これまで一貫して腸内細菌叢が産生する短鎖脂肪酸と,その受容体であるGPR41/43の連関による抗炎症作用による腎保護効果を世界に発信してきた.これまでの成果として研究代表者は,ヒト正常腎での受容体の発現部位を免疫染色法で検討し,ヒト正常腎ではGPR41/43ともに遠位尿細管と集合管に発現することを確認した.また、ヒト腎尿細管上皮細胞を用いたin vitroの実験を行った.TNF-α誘導性MCP-1の産生を短鎖脂肪酸である酢酸,プロピオン酸,酪酸が抑制すること,その分子機序がTNF-α誘導性JNK,p38のリン酸化の抑制であることを見出した.この報告を通して,in vitroレベルでの腎臓におけるGPR41/43を介する短鎖脂肪酸の抗炎症作用とその分子機序の一端を世界に先駆けて報告した.さらに、アデニン負荷マウスのモデルを利用して、短鎖脂肪酸であるプロピオン酸の自由飲水投与で、アデニン負荷による腎機能の悪化抑制が、正常マウスと比べて、GPR41、GPR43のノックアウトマウス群でそれぞれ有意に減弱することを見出し、短鎖脂肪酸-GPR41/43による腎保護効果をin vivoでも証明した.しかし、その分子機序は不明であった.本年は、正常マウスとGPR43-/-マウスで腎機能の悪化に差がある原因探索として,これらのマウスの腎臓の蛋白発現を確認した.その結果、MAPKinaseに関連するp38のリン酸化がノックアウトマウス群で正常マウス群と比較して,有意に上昇している事を見出した.内因性の短鎖脂肪酸とGPR43の連関で炎症に関与するp38のリン酸化を抑制している可能性がある.

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公開日: 2022-12-28  

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