糖尿病性腎臓病(DKD)は、長らく我が国の透析導入原疾患の第1位であり、新たな治療法の確立が求められている。近年、DKDの病態は高齢化社会を背景に多様化しており、その治療標的も複雑になってきている。これまで我々は細胞内浄化機構の一つであるオートファジーが多様なDKDのいずれの病態においても重要であることを報告してきた。本研究では、より安全なオートファジー活性化薬として新たに化合物を同定し、治療法となり得るか検証を実施した。今後の研究結果により、オートファジー関連蛋白の転写因子であるTFEB活性化による治療効果が明らかになれば、治療抵抗性のDKDに対する新たな治療戦略になると考えられる。
|