現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラット心筋細胞H9c2細胞に対して、FGF23蛋白を50ng/dLおよび100ng/mL投与したところ、心肥大マーカー(ANF, BNP, βMHC)および線維化マーカー(αSMA, コラーゲンⅠ)のmRNAの発現上昇を認めた。同様に、H9c2細胞に対して、インドキシル硫酸を0.25mMおよび1.0mM投与したところ、心肥大マーカー(ANF, BNP, βMHC)および線維化マーカー(αSMA, コラーゲンⅠ)、さらに、FGF23のmRNAの発現上昇を認めた。また、インドキシル硫酸は、心筋細胞においてFGF23の分解を抑制するGLANT3を上昇させることが明らかとなり、この機序で血中のFGF23の蛋白が増加することが明らかになった。さらに、インドキシル硫酸は、心筋細胞におけるHIF1αを活性化し、FGF23 mRNAの発現を増加させた。また、マウスに片腎摘出を行い軽度腎障害を惹起し、インドキシル硫酸を投与したところ、インドキシル硫酸により心筋肥大が起こることを確認した。この肥大した心筋にはFGF23蛋白の発現上昇を認めた。これらの結果より、心筋肥大の機序に、FGF23とインドキシル硫酸は関連性がある可能性がある。実験はおおむね予定通り遂行できている。
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