研究課題/領域番号 |
21K08243
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
伊藤 恵実 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, 臓器障害研究部 研究員 (10889455)
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研究分担者 |
鏑木 康志 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 臓器障害研究部長 (40342927)
久保田 浩之 (卯木浩之) 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 室長 (40323290)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 糖尿病性腎臓病 / 糸球体上皮細胞 |
研究実績の概要 |
糖尿病性腎症は透析導入疾患第一位であり、その成因を分子機序で解明し治療法や予防法を構築することは重要な課題である。私たちの研究グループではインスリンシグナル伝達に関与する因子の一つであるphosphoinositide-dependent kinase-1 (PDK1)に着目し、糸球体上皮細胞特異的PDK1ノックアウトマウス(Pod-PDK1 KO)を作製することでインスリンシグナル伝達系障害が糸球体上皮細胞機能にどのような影響を及ぼすかについて検討を行っている。なお、これまでに実施した先行研究ではPod-PDK1 KOより糸球体上皮細胞を単離・培養することが出来ず、PDK1欠損による糸球体上皮細胞機能への影響をin vitroにて評価することが出来なかった。この原因としてPod-PDK1 KOから単離した糸球体上皮細胞は細胞成長の鍵であるPDK1が不活化しているため、培養糸球体上皮細胞が増殖できないのではないかと考えた。そこで本研究ではタモキシフェン誘導型の糸球体上皮細胞特異的PDK1ノックアウトマウス(iPod-PDK1 KO)を作製し、iPod-PDK1 KOから単離糸球体上皮細胞を調製する手法を構築することでPDK1欠損による糸球体上皮細胞機能への影響を検討することとした。 まずiPod-PDK1 KOの作製に先立ち、タモキシフェン誘導型Cre-ERT2トランスジェニックマウスとCAG-floxSTOP-EGFPトランスジェニックマウスを交配し、タモキシフェン誘導型糸球体上皮細胞特異的EGFP過剰発現マウス(Cre-ERT2[+], CAG-floxSTOP-EGFP [flox/flox])を作製した。このマウスにタモキシフェンを投与するとEGFP陽性の糸球体上皮細胞が観察され、Cre ERT2-loxpシステムが正常に作動することが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
タモキシフェン誘導型糸球体上皮細胞特異的EGFP過剰発現マウスの作製については計画通りに進捗したものの、Cre ERT2-loxpシステムを正常にさせるためのタモキシフェン投与条件の確立に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
タモキシフェン誘導型Cre-ERT2トランスジェニックマウスとPDK1-floxマウスを交配することでiPod-PDK1 KOを作製し、その表現型解析と糸球体上皮細胞の単離・培養法の構築を進める。
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