研究課題
基盤研究(C)
本研究では、フローサイトメトリー(FCM)を用いて腎線維化の機序を解明した。片側尿管結紮(UUO)マウスの腎臓細胞を単離してFCMで経時的に解析した結果、非血球細胞であるPDGFRβ陽性細胞の一部がαSMA陽性の筋線維芽細胞となり、腎線維化に関与することを明らかにした。また、血球系細胞のF4/80陽性細胞がPDGFを始めさまざまなサイトカインやケモカインを産生することで、炎症や線維化の促進に関与している可能性が示した。
腎臓内科学
腎線維化は末期腎不全に至る腎障害に共通してみられ、その病態解明と制御は、末期腎不全を阻止するために重要である。今回、我々はマウスUUOモデルにおける腎線維化に関与する細胞群や分子を明らかにした。これらの知見は腎線維化の早期診断や治療法の開発に繋がる可能性があり、腎疾患患者の生活の質向上や医療費削減に貢献することが期待される。