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2022 年度 実施状況報告書

アフリカツメガエルの強みを活かして、腎ネフロンセグメント化の仕組みを理解する

研究課題

研究課題/領域番号 21K08262
研究機関杏林大学

研究代表者

堅田 智久  杏林大学, 医学部, 助教 (10527229)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードアフリカツメガエル / 発生 / 腎臓 / ネフロン
研究実績の概要

腎臓はネフロンを基本構成単位とし、体液量の調節を行う重要な臓器である。ネフロンは中間中胚葉を起源とし、上皮化に続いて、近位-遠位極性が確立され、セグメント化が起こって成熟ネフロンとなる。しかしながら、セグメント化を制御する分子は未だ明らかにされていない。そこで、ネフロン発生期におけるセグメント化に必要な因子を同定することを目的として研究に着手した。
この目的を達成するために、アフリカツメガエルの幼生が持つ前腎を解析対象とした。アフリカツメガエル前腎は、他の動物種の機能腎と比較しても、その構造と発生過程がよく保存されており、1個のネフロンから成る。このことは、セグメント化を制御する因子を同定する上で非常に都合が良いモデルとして用いることができる。本研究では、アフリカツメガエル前腎の分化ネフロンと未分化ネフロンにおける遺伝子発現の違いに着目することで、セグメント化に関わる因子を決定することを試みた。
アニマルキャップに前腎組織を誘導し、経過時間ごとに発現遺伝子をリアルタイムPCRによって解析した。その結果、前腎原基に発現する転写因子をはじめとして、近位尿細管や遠位尿細管といったセグメント単位に発現する分化マーカーが経時的に確認できた。これらのセグメントマーカーの発現開始時期を考慮し、セグメント化を制御する因子の特定に適した経過時間を決定した。今後はこれらのサンプルをRNAソースとして、セグメント化を制御する因子の同定を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初は、未分化ネフロンのRNAソースとしてアフリカツメガエル後期神経胚の前腎形成領域を、分化ネフロンのRNAソースとしてアフリカツメガエル後期尾芽胚のネフロン領域を使用する予定であったが、両組織の発現遺伝子をRT-PCR法により解析した結果、不要な組織の混入により解析結果に影響を与えることが懸念された。そこで、アニマルキャップを用いて前腎組織を誘導し、これをRNAソースとすることにした。アニマルキャップに前腎組織を誘導した後、経過時間ごとに発現遺伝子をリアルタイムPCRによって解析した。その結果、前腎原基に発現する転写因子をはじめとして、近位尿細管や遠位尿細管といったセグメント単位に発現する分化マーカーが経時的に確認できた。これらのセグメントマーカーの発現開始時期を考慮し、セグメント化を制御する因子の特定に適した経過時間を決定した。

今後の研究の推進方策

セグメント化を制御する因子を特定するアニマルキャップの培養条件が決定できたので、これらのサンプルをRNAソースとして、RNAシークエンスによる発現遺伝子の解析を行う。得られたデータから、候補遺伝子を選定し、アフリカツメガエル胚における発現領域を確認してから、機能阻害実験を実施する。

次年度使用額が生じた理由

当初は、発現遺伝子の解析のためにRNAシークエンスを行う予定であったが、解析に用いるサンプルの準備に時間を要した。従って、その解析費用を次年度に使用することとした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Involvement of <scp>GLCCI1</scp> in mouse spermatogenesis2022

    • 著者名/発表者名
      Takada Masaru、Fukuhara Daisuke、Takiura Toshihiko、Nishibori Yukino、Kotani Masashi、Kiuchi Zentaro、Kudo Akihiko、Beltcheva Olga、Ito‐Nitta Noriko、Nitta Kazuhiro R.、Kimura Toru、Suehiro Jun‐Ichi、Katada Tomohisa、Takematsu Hiromu、Yan Kunimasa
    • 雑誌名

      The FASEB Journal

      巻: 37 ページ: e22680

    • DOI

      10.1096/fj.202101667RR

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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