研究課題/領域番号 |
21K08263
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
畔上 達彦 慶應義塾大学, 保健管理センター(日吉), 助教 (60573376)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 慢性腎臓病 / ワクチン |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、アンメット・メディカル・ニーズの高い慢性腎臓病(CKD)を予防・治療するために、結合組織成長因子(CTGF)を標的とした治療ワクチンの開発を試み、CKDに対して新たな治療戦略を提供することである。ワクチン抗原の作成にあたっては、副反応を起こし得る自己免疫応答(過剰な細胞性免疫)を回避するため、CTGF のアミノ酸配列の中から、T細胞エピトープとならず、B細胞エピトープとなるような、短鎖ペプチド配列を同定する。最適な免疫プロトコールを検討した後、アデニン誘発型慢性腎不全マウスおよ腎間質線維化モデル(片側尿管結紮)マウスを用いて、CKDに対する抗CTGFワクチンの治療効果を多角的に検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2021年度は、ワクチン抗原の作成,免疫プロトコールの検討を予定していたが、計画通りに実施できた。また、2022年度に予定していた慢性腎不全モデルおよび腎間質線維化モデルに対する効果の検討を既に着手している。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度中に、以下の1, 2の検討を終了する予定であり、可能であれば3の検討を着手したい。 1. 慢性腎不全モデルに対する効果の検討:アデニン誘発型慢性腎不全マウスを用いて、抗CTGFワクチンの腎保護効果を、血液(血清クレアチニン),尿(アルブミン排泄量),組織学的所見(腎間質線維化)を基に評価・検討する。 2. 腎間質線維化モデルに対する効果の検討:片側尿管結紮(UUO)マウスを用いて、抗CTGFワクチンの間質線維化抑制効果を検討する。 3.抗CTGFワクチンの作用機序の検討(2023年度実施予定の計画):抗CTGFワクチンで免疫したマウスから、血清IgG抗体を精製し、抗原特異性やCTGFに対する機能をin vitroにて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画よりも早く研究が進行したため、前倒し支払いを請求し、2022年度分の研究計画に着手した。その結果、次年度使用額が生じたが、これは2022年度分として請求した助成金と合わせて、本来2022年度に実施する予定であった研究計画に使用する。
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