今回常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)患者由来疾患特異的iPS細胞を樹立し、腎オルガノイドを誘導し、腎オルガノイドの増殖に対するGSK3β PIポリアミドの効果を検討した。 令和3年度はヒトGSK3βプロモーター構造のCREB結合配列をPROMOにて解析し、PIポリアミドを複数分子設計した。ADPKD患者および健常人から単核球を分離し、iPS細胞を得、FGF9で分化開始から7日後細胞を培養皿より分離し、試験管内において再集合体を形成させ、20日間3次元培養した。再集合体は3日目に腎包の形成がみられ、11日目にネフロンを自発的に構築するADPKD患者オルガノイドが形成された。 令和4年度はADPKD患者由来疾患特異的iPS細胞からの尿細管上皮細胞を得、コントロールとしての尿細管上皮細胞の遊走能との比較実験を行った。ADPKD患者由来尿細管上皮細胞とコントロール尿細管上皮細胞増殖を、dDAVP 1μM投与後、WST-1アッセイで細胞増殖を行い 1nM~0.1μMの6種類のヒトGSK3βPIポリアミドの効果を評価しリード化合物を決定した。 令和5年度にADPKD患者由来腎臓オルガノイドを作成し、全体の大きさをIMAGE-Jソフトで評価した。さらに腎臓オルガノイドの誘導28日目に構造的観察を行い、糸球体様構造物の確認ができた。次にNPHS1、LAMの免疫染色を行いADPKD患者由来腎臓オルガノイドの増殖を染色で評価した。ヒトGSK3βPIポリアミドのADPKDへの創薬開発の為に、ADPKD患者由来疾患特異的iPS細胞からの尿細管上皮細胞とコントロール尿細管上皮細胞増殖を、dDAVP 1μM投与後、WST-1アッセイで細胞増殖を行い 1nM~0.1μMの6種類のヒトGSK3βPIポリアミドの効果を評価しリード化合物を決定した。
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