研究課題
本研究では、マンノースなどの単糖機能性食品に着目して、嚢胞性腎疾患群に対する予防療法を提案することが目的である。我々は特にマンノースから代謝・生合成されるUDP-マンノースやGDP-2-デオキシマンノースなどの希少糖ヌクレオチドの意義を探索して、病態への関与を検証する。本年度は、高感度三連四重極型質量分析計(LCMS8060NX)を新規導入して、昨年構築したHILIC-MS/MSを用いる希少糖ヌクレオチドの微量・迅速分析システムを検討した。微量分析では、フェムトモルレベルにおいて定量直線性が得られないという課題が生じ、その原因はリン酸基含有化合物の分析に共通してみられる吸着の影響であると考えた。本研究では、キレート剤であるメドロン酸をサンプルに添加することや、システムの配管をメタルフリーに変更して吸着を抑制した。また金属カラムへの吸着は、メタルフリーのアミドカラムを採用するなどの対策を講じた。さらに嚢胞腎の尿バイオマーカーを探索する一環として、細胞培養液や血清や髄液、尿に由来する細胞外糖ヌクレオチドの分析に適用した。未同定のピークは、予想される候補分子の標準品を、無保護ヌクレオチド二リン酸と単糖のクロスカップリングを介して化学合成して使用した。尿バイオマーカーの探索では、4週齢から14週齢のネフロン癆モデルラット(Cyラット)から各々採尿して、糖ヌクレオチドや糖タンパク質を評価したところ、バイオマーカー候補分子が得られた。本内容に関して、国際会議において1件報告、共同研究論文も2報報告した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 産業財産権 (1件)
Cell Death Dis . 2024 Jan 15;15(1):53
巻: 15 ページ: 53
10.1038/s41419-024-06432-z.
iScience.
巻: 26 ページ: 107746
10.1016/j.isci.2023.107746