研究課題/領域番号 |
21K08270
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 健弘 東北大学, 医工学研究科, 特任准教授 (50396438)
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研究分担者 |
豊原 敬文 東北大学, 医工学研究科, 特任講師 (60594182)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ミトコンドリア / ミドコンドリア病 / iPS細胞 / 人工血管 / 人工心筋 |
研究実績の概要 |
生体のエネルギーの90%以上を担うATP産生を行いながら同時に酸化ストレスを発生するミトコンドリアの機能異常はミトコンドリア病のみならず、神経、心臓、筋、腎臓に重篤な臓器障害をきたす。申請者らが開発した新規ミトコンドリア病治療薬MA-5はミトコンドリア病患者細胞の生存率を改善し、細胞内ATPを増加しながも、酸化ストレスは減少させ、ミトコンドリア病モデルマウスの寿命を延長し、急性腎障害、難聴、筋力低下などの病態も改善した。しかし、ヒトのミトコンドリア病での心臓、腎臓、神経障害への治療薬の効果を動物モデルや患者未分化細胞モデルのみでは十分に評価し得ない問題点があっ た。本研究はミトコンドリア患者由来iPS細胞誘導心筋細胞とiPS誘導血管内皮細胞と平滑筋細胞から構築する3D血管モデルを用いて、ミトコンドリア臓器障害機序の解明とMA-5の有効性評価及び新規治療薬化合物のスクリーニング系の確立を行い、ミトコンドリア障害による心臓・腎臓障害の治療薬開発を目的とする。 次年度はミトコンドリア病患者由来iPS細胞を用いた心筋細胞の分化誘導系確立と96 well デバイスへの定着を行った。また、ミトコンドリア病患者由来iPS由来の内皮細胞と血管平滑筋細胞を誘導し、二層性灌流コラーゲンゲルマイクロチューブ デバイスを用いてコラーゲンの内層と外層それぞれiPS誘導血管内皮と血管平滑筋を注入して人工血管を構築し、平滑筋収縮反応の計測や数日間の灌流実験などシステムの基本構築を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はヒトのミトコンドリア病での心臓、腎臓、神経障害への治療薬の効果を動物モデルや患者未分化細胞モデルのみでは十分に評価し得ない問題点があったため、ミトコンドリア患者由来iPS細胞誘導心筋細胞を用いた心筋オルガノイドの機能スクリーニングが可能な96 well デバイスとiPS誘導血管内皮細胞と平滑筋細胞から構築する3D血管モデルを構築する。さらにこられらのミトコンドリア病患者由来の障害臓器モデルを用いてミトコンドリア臓器障害機序の解明とMA-5の有効性評価及び新規治療薬化合物のスクリーニング系の確立を行い、ミトコンドリア障害による心臓・腎臓障害の治療薬開発を目的としている。次年度はその第一段階であるミトコンドリア病患者由来iPS細胞から分化誘導した心筋細胞を96 well デバイスに定着させ、基本的なシステムを構築した。また、二層性灌流コラーゲンマイクロチューブ デバイスの内層・外層にiPS誘導血管内皮と血管平滑筋を注入して共培養する人工血管モデルは血管収縮反応など基本的な血管機能を再現し、数日間の灌流基礎実験をおこなうなど、病態評価系としてシステムの基本構築を行った。このため、概ね順調に進展していると自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はミトコンドリア病の疾患モデルとしてミトコンドリア病患者由来iPS細胞から分化誘導した心筋細胞を用いた、心筋オルガノイド96 well デバイスを用いた心筋機能評価システムを構築する。二層性灌流コラーゲンマイクロチューブ デバイスを用た人工血管モデルをiPS誘導血管内皮と血管平滑筋を用いてミトコンドリア病の臓器障害の病態を再現する3D人工血管を構築する。さらにミトコンドリア病のMELAS患者iPS細胞由来-人工血管とコントロールのミトコンドリア病変異なしのiPS細胞由由来工血管の比較により、障害により生じる人工血管の内皮・平滑筋細胞のミトコンドリア機能、炎症反応、線維化反応などの解析をRNA、蛋白質、ミトコンドリア形態等の指標で評価する。
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