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2022 年度 実施状況報告書

慢性腎臓病に対するVasohibin-2ペプチドワクチン療法の有効性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K08278
研究機関岡山大学

研究代表者

田邊 克幸  岡山大学, 大学病院, 講師 (40534805)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード糖尿病性腎症 / ワクチン療法 / Vasohibin-2 / 血管新生
研究実績の概要

本研究は糖尿病性腎症と腎間質線維化の動物モデルを作成し、Vash2トランスジェニックマウスでの血管新生促進因子Vasohibin-2 (VASH2) の病態への関与の解明と、VASH2ペプチドワクチンによる進行抑制効果について検討することを目的としている。昨年度にStreptozotocin投与により作成した糖尿病マウスに対するVASH2ペプチドワクチンの接種が血圧や血糖値とは独立して尿中アルブミン排泄を有意に減少させることを示した。本年度は更に解析を進め、ワクチン接種後に血中に誘導された抗VASH2抗体が組み換えマウスVASH2蛋白に結合することを確認し、この内因性抗VASH2抗体によって糖尿病マウスでの尿中アルブミン排泄の減少とともに糸球体肥大の軽減や糸球体内マクロファージ浸潤の抑制がもたらされることが認められた。また、本年度はVash2トランスジェニックマウスを使用した糖尿病性腎症におけるVASH2の役割も検討を行った。Vash2トランスジェニックマウスは腎臓組織において野生型マウスと比較して数百倍のVash2 mRNA発現の増加を示したが、通常飼育下では明らかな表現型を示さず、尿中アルブミン排泄の増加も認めなかった。しかし、Streptozotocinによる糖尿病の誘発後に、血圧や血糖値に差は認められなかったが、尿中アルブミン排泄が増加する傾向が認められており、組織学的解析を続けている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は糖尿病性腎症モデルマウスに対するVASH2ペプチドワクチンの有効性の機序について解析を進めており、またVash2トランスジェニックマウスを用いた糖尿病性腎症におけるVASH2の役割の解明についても並行して進めることができていることから、概ね予定通りに進展しているものと考える。腎間質線維化へのVASH2の役割の解明については今後検討を進める必要がある。

今後の研究の推進方策

今後は糖尿病性腎症に対するVASH2ペプチドワクチンの有効性の機序としての糸球体微小炎症の抑制について、接着分子や血管新生関連因子の発現等を検討する。また、VASH2トランスジェニックマウスで糖尿病性腎症の組織学的変化の解析を行うととともに、増悪の機序解明のため、培養細胞を使用した実験を行う。更に、Vash2トランスジェニックマウスでの腎間質線維化の変化や培養尿細管上皮細胞におけるVASH2の発現亢進・抑制の効果について検討を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 早期糖尿病性腎症に対するVasohibin-2を標的としたペプチドワクチン療法の有効性2022

    • 著者名/発表者名
      中島有理、田邊克幸、御舩朋代、林宏樹、中神啓徳、杉山斉、佐藤靖史、和田淳
    • 学会等名
      第65回日本腎臓学会学術総会
  • [学会発表] Vasohibin-2を標的とした糖尿病性腎症に対する新規治療の開発2022

    • 著者名/発表者名
      田邊克幸
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] 糖尿病性腎症における血管新生関連因子の治療標的としての役割2022

    • 著者名/発表者名
      田邊克幸、佐藤靖史、中神啓徳、和田淳
    • 学会等名
      第33回日本糖尿病性腎症研究会

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公開日: 2023-12-25  

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