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2023 年度 実施状況報告書

抑制的なヒストンメチル化修飾への介入による血管石灰化の制御

研究課題

研究課題/領域番号 21K08282
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

吉田 理  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (00306713)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード血管石灰化 / 平滑筋
研究実績の概要

血管石灰化は慢性腎臓病患者において、生命予後および生活の質QOLを左右する重要な病態である。近年の研究では、この石灰化病変の形成に血管平滑筋細胞の骨様細胞への形質変換が重要な役割を果たしていることが示されている。すなわち、慢性腎臓病に伴うリン負荷といった刺激が、平滑筋細胞において平滑筋分化マーカーの消失と骨分化マーカーの獲得を引き起こし、石灰化病変を形成する。
本研究では、この形質変換にエピジェネティックな制御機構が関与している可能性を検討している。平滑筋分化マーカーの消失には、アクティブなヒストン修飾が減弱し、骨分化マーカーの発現にはアクティブなヒストン修飾が亢進していることを見出している。今後、ヒストンの抑制的なメチル化修飾に焦点を当てて、それらがどのように変化するのか、さらにはヒストンメチル化修飾の変化を制御した際に血管平滑筋細胞の骨様細胞への形質変換を抑制できるかどうか、また、血管石灰化を抑制できるかどうか解析を行う。培養血管平滑筋細胞にリン負荷を行うと、平滑筋特異的なアクチンやミオシン重鎖の発現が低下するが、これにはそれら遺伝子のプロモーター領域におけるヒストンの修飾変化が伴っていた。また、骨分化マーカーの発現亢進もみられるが、これにも骨分化マーカー遺伝子のプロモーター領域におけるヒストン修飾変化が随伴していた。それらのメカニズム解明を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症流行の影響がまだ残っており、研究の遅延がみられる。

今後の研究の推進方策

研究期間の延長によって研究の進捗が期待される。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症流行の影響があって2023年度の研究に遅延が生じ、研究費の繰り越しが生じた。繰り越した資金は、2024年度に遅延した研究を遂行するための物品費の購入などに使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] CKDとCVD:石灰化管理におけるリン制御の重要性2023

    • 著者名/発表者名
      吉田 理
    • 学会等名
      第46回青森人工透析研究会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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