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2023 年度 実績報告書

スフィンゴリン脂質によるFc受容体のリガンド親和性調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K08283
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

大久保 光修  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (60749125)

研究分担者 平橋 淳一  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70296573)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードFcγ受容体IIA / 好中球 / STIM1
研究実績の概要

申請者は、研究期間を通して好中球エフェクター機能を作動させ自己の臓器障害を起こすFcγ受容体IIAに注目してきた。申請者はLacCerのリガンド;β-glucanが、LacCer以下の細胞内経路;Lyn kinaseとSHP-1を含むリン酸化経路を活性化させることを見出した。これらはβ-glucanというPAMPSを契機としたLacCer/Lyn/SHP-1の連続したcascadeで、この経路の最終的なターゲットはFcγ受容体IIAのITAMであることを見出した。また、ITAMのリン酸化にNADPHオキシダーゼ、PKCδ等の活性酸素種(ROS)産生の調整経路と、STIM1と呼ばれる細胞内カルシウム濃度調整機構が関与していると考え、免疫複合体による架橋刺激を契機に発生するFcγ受容体IIA依存性ROS産生を測定する実験系を用いて、Fcγ受容体IIA依存性ROS産生に関与する分子を同定した。次にFcγ受容体IIAのリガンド親和性がSTIM1に依存しているという想定のもと、この一連の経路をin vivoで再現するために腎虚血再灌流モデル(IRI)の構築を行った。IRIにおいてはFcγ受容体IIA依存性と既に分かっているエフェクター機能の活性化マーカーの上昇が再現されず、Fcγ受容体IIAのリガンド親和性がSTIM1に依存していることは直接的に示されなかった。一方、in vitroにおいては好中球表面のFcγ受容体IIAと免疫複合体との接着およびそれに続く拡大(crawling)がSTIM1およびPKCδ依存性であることを見出した。以上のように、好中球エフェクター機能の中でも自己免疫疾患に続発する腎不全を惹起すると考えられているFcγ受容体IIA機能において、特に免疫複合体との接着を介した組織障害がSTIM1、PKCδ等の分子によって制御されていることを新たに見出した。

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公開日: 2024-12-25  

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