IgA腎症ではTLR9/TLR7を活性化させると血中の糖鎖異常IgA、IgG-IgA免疫複合体(IC)の増加がみられ、下流シグナルであるMyD88とNF-κBの発現も亢進する。TLR7やTLR9の単独阻害よりもMyD88阻害による腎炎抑制効果が高いことから、新規治療法として、TLR9/TLR7のシグナル伝達経路を抑制するヒドロキシクロロキン(HCQ)の効果が期待された。HCQはIgA腎症モデルで腎症の進展を抑制し、ヒト扁桃細胞では、 HCQにより糖鎖異常IgA1、IgG-IgA ICの産生が低下し、HCQはIgA腎症における粘膜免疫応答を制御する治療法として臨床応用が期待される。
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