研究課題/領域番号 |
21K08294
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮地 秀明 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (70813947)
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研究分担者 |
佐藤 大介 千葉大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10646996)
吉村 健佑 千葉大学, 医学部附属病院, 特任教授 (60801735)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | レセプトデータ / DPCデータ / 皮膚科 / リアルワールドデータ / 乾癬 / 水疱症 / 真菌症 / カンジダ |
研究実績の概要 |
2022年度(3年計画の2年目)は昨年度に引き続き、大規模なリアルワールデータでありレセプトデータを含むDPCデータベースを活用した皮膚科領域疾患の研究を推進した。その成果を2つの国際学会で発表(口頭発表1回、ポスター発表1回)し、3報の査読あり英文原著論文「Association between psoriasis and short-term outcomes of acute myocardial infarction: A matched-pair cohort study using a nationwide inpatient database in Japan」「Clinical course and outcomes of pemphigus vulgaris and foliaceus: a retrospective study using a nationwide database in Japan」「Trends in mortality and morbidity of bullous pemphigoid before and after approval of intravenous immunoglobulin in Japan: An interrupted time-series analysis」が受理された。 また、皮膚感染症に関連して皮膚常在真菌であるカンジダの研究が、査読あり英文原著論文として1報が「Epidermal clearance of Candida albicans is mediated by IL-17 but independent of fungal innate immune receptors 」受理された。 一方、厚生労働省からデータ提供の承認を既に得ていたレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)は、当初の予定よりも大幅に遅れて2023年3月に集計表情報が提供された。そのため、本年度は当該データを活用した研究発表は出来なかったが、第42回医療情報学連合大会(第23回日本医療情報学会学術大会)の公募シンポジウム3の演者として登壇した。同シンポジウムでは「皮膚科臨床医によるNDB活用の取り組みと今後への期待」の演題で、これまでに取り組んだオープンデータの活用事例とNDBに対する今後への期待を述べ、データ提供まで長時間を要することなどの問題点を提示し議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は、実臨床現場における皮膚感染症の治療実態について、日本全国の保険診療のほぼ100%が網羅された大規模リアルワールドデータ(RWD)である、 レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を活用して明らかにすることである。研究計画の中心となるNDBの集計表情報について、厚生労働省からデータ 提供の承認を既に得ていたが、COVID-19流行の影響などもあって実際のデータ提供が遅れていた。そのため、現時点では成果を得られていないが、2023年3月にデータが提供されたため、今後解析をすすめる予定である。 本年度もデータ提供を待つ期間にDPCデータベースを活用した研究を実施したことで、本邦の皮膚科領域における大規模リアルワールドデータ研究を牽引する成果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画では、3年計画の1年目に集計表情報のデータが提供され、特別抽出情報を用いた研究に取り組む予定であった。しかしながら、NDBの利用は1利用者1研究課題であるため、特別抽出情報を用いた研究に本研究課題の期間中に取り組むことは困難となった。しかしながら、NDBではないものの、同じく大規模なリアルワールデータでありレセプトデータを含むDPCデータベースを活用した研究で当初予定していた以上の研究成果を得ることが出来ている。 遅れていたら集計表情報の提供が2023年3月に実際に届いたため、3年計画の最終年度である2023年度は、同データを用いた研究成果を2023年度中に学会発表や査読付き原著論文として投稿すべく、データの解析と発表準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
集計表情報のデータ提供が当初想定より大幅に遅れたため、ワークステーションの購入を見送った。最終年度に研究を発展するための海外出張や、集計表情報を活用した研究成果の公表のために次年度使用額を利用する。
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