慢性蕁麻疹は明らかな誘因無く、6週間以上ほぼ毎日膨疹が繰り返し出没する疾患であり、何らかの刺激を受けた皮膚マスト細胞・好塩基球から放出されるヒスタミン等が、皮膚微小血管に作用して血管透過性を亢進し、膨疹を形成すると考えられているが、その発症機序は依然不明である。本研究では、慢性蕁麻疹の病態に、外因系血液凝固反応開始因子である組 織因子(TF)が重要であること、さらに、その発現機序の詳細を明らかにした。また、慢性蕁麻疹の病態において、活性化補体、特にC5aが重要である可能性を示した。さらに、血管内皮細胞由来マイクロパーティクル(MP)が慢性蕁麻疹の診断に応用できる可能性を示した。
|